全く無関係に思ったり相反する存在に思うものが混ざり合って出来ているからこそ欧米の文化は魅力的なのだし、これは"いけばな作品"も同じ事だと思います

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

先日、よく海外に行かれる先輩のお話をお聞きしながら、海外って先進的だと思いがちですが、実はその根底にあるのはものすごい保守だという事を思い出したので、今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。

ワイキキの繁華街は深夜12時に閉店する

例えばハワイで言うと、ホノルルで1番の繁華街の ”ワイキキ” でも、深夜12時に大半のお店が閉まっちゃいます。日本で東京や大阪や神戸とかのような繁華街だと、朝までお店が開いているのが普通って感覚ですよね。まあいうなれば、人がいるんだから商売になるって感覚です。

しかしワイキキの感覚だと、12時には店は閉めるものって昔から決まっている。あるいは深夜まで開けているのは大人が飲みに行くためのお店なので、年齢確認や身分確認などしないと入店すらできない。(もしかしたら条例で営業時間が決まっているのかもしれませんが。。。)とか、土日はお休みに決まっているとか、夜は家族と過ごすための時間だ、とかって言う感覚なんです。
そしてこれって先に書いた先輩に、スペインのバルセロナ周辺に連れて行っていただいた時にも同様の事を感じました。

ヌードに対する意識も、日本人は誤解している人が多い

女性や男性のヌードに対する意識も日本に比べると、極めて保守的です。なんかごく一部の情報などを見たイメージで、海外は男性や女性の裸について開放的だと思われがちですが、少なくとも町の中で女性のおっぱいが露出した写真が掲載されている雑誌なんて絶対と言って良いほど目にしません。仮にそういうものが売られていたとしても、すぐに目につくような場所では販売されていないし、そういうお店は目につきにくい場所や限定された場所にしかありません。

ちなみに具体例で言うと、ワイキキの何でも屋さんの ”ABCストア” で女性と男性の水着のカレンダーが売られているのですが(ヌードじゃないですよ。普通に水着を着ているだけのカレンダーです。)、そんなものも ”adult only” にハッキリと指定されているくらいに、こういう部分もものすごく保守的なんです。

"先進性"と"保守性"と言う、一見すると相反するものが絶妙なバランスで混ざり合う事によって生まれる魅力

これまでの事を変えようとすると、「なぜそんなことをしないといけないのか?これまでそれできているんだからそのままでいいじゃないか!」って言う考え方をする人も多いです。そしてこれってどちらかというと日本の事だと思いがちですが、実は欧米の基本はこの保守なんだと私はすごく感じます。

アメリカは確かにいろんな部分で先進的ですし合理的です。しかしその大元というか核にあるのは「保守的な考え方」なんですよね。逆にヨーロッパとかはものすごい保守的に思いがちですが、凄く先進的な部分もあるんです。
この先進性と保守性と言う一見すると相反するもののように思うモノに対するバランスが、欧米に行った時には見ていて私は本当に楽しいです。

私たちから見ていると、変えたら便利でいいのに〜って思うようなことを、頑なに守り続けている部分があります。その逆に、えっ!って思うような先進的な事をしている部分や日本人には真似できないほど開放的な部分もあります。だからこそあんなに魅力的な文化が紡ぎ出されているのだと思うのです。

いけばなの作品も同様で、色々な違うものが混ざり合うからこそ、新しい魅力が生み出されるのです。
全くの無関係というか相反するような2つが、絶妙なバランスで混ざり合う事によって生まれる魅力、これって世の中もいけばな作品も、全く同じことが言えるのだなぁと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。