色々なところにイチョウ並木がありますが、イチョウに銀杏のなる木とならない木があるのには理由があるのです

こんにちは、内藤正風です。

この時期になると紅葉があちらこちらで本番となってきます。関西ですと大阪の御堂筋のイチョウ並木なんかも有名ですよね。

ところでこの時期のイチョウ並木は紅葉は綺麗なのですが銀杏が実ってあの独特の臭いが漂って、かなり臭いですよね。

紅葉はなぜ起こるのか

ところで紅葉ってなぜ起こるかご存じですか。

植物は葉っぱで光合成を行なっているというのは、小学校などで学ばれた通りです。で、この光合成によって作られた栄養が葉っぱにも巡っているのですが、秋になり日照時間が短くなると共に気温が低くなると、幹や枝を守るために葉っぱに巡らせていた栄養をストップさせてしまい葉を落とす準備をし始めます。
そうなると栄養の中に含まれていた葉緑素なども葉っぱに回らなくなっていきますので緑色が薄くなっていくのです。
そしてこの結果、葉っぱがもともと持っている色が見えるようになってきて、赤色や黄色に色づいてゆくのです。

銀杏って、沢山実る木とならない木がありますよね

銀杏が好きで、イチョウの木の根元に落ちているのを拾いに行った経験のある方はご存じだと思うのですが、銀杏って木によって根元に沢山落ちている木と全く落ちていない木がありますが、これってなぜかご存じですか。
良く実った木と、実りの悪かった木ではないんです。

実はイチョウは雄の木と雌の木があるのです。
なので雌の木に銀杏がなり、雄の木にはならないのです。

植物は基本的に1つの花の中におしべとめしべがあり受粉します。しかし植物の中には雄の花と雌の花が別々に存在しているものも存在しており、そういう植物の事を「雌雄異株(しゆういしゅ)」といいます。
そういう植物はこのイチョウのほかにも、キウイやヤマモモなどがあります。

ちなみにおしべだけの花やめしべだけの花を咲かせる「雌雄異花(しゆういか)」の植物もあり、キュウリやカボチャ、スイカ、クリなどがそれにあたります。

イチョウは植えてみなければ雌雄が分かりません

銀杏好きの人がここまで聞いたら、「じゃあ雌のほうが多くなるように植えたらいいやん。」って思われる方もあるかもしれませんし、銀杏の臭いに毎年悩まされている方は、「じゃあ雄の木ばっかり植えたらいいやん」って思われるかもしれませんが、イチョウは幼木の間は雌雄の区別がほとんどできない植物なのです。
なので植えて木が成長して銀杏が実ってみないと、どの木が雄でどの木が雌なのかが分からない植物なのです。

秋を満喫しましょう

今からが盛りの紅葉です。冬までの短い期間の秋を楽しまないともったいないですよね。
観光の秋、芸術の秋、読書の秋、食欲の秋、そしてせっかくなので紅葉も楽しみましょうね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。