良いモノを作ろうと思ったら労力を惜しんではいけないという教えが ”いけばな”では「花は足で生ける」という言葉になって昔から伝わっています
こんにちは、内藤正風です。
今日はオンライン講習会を開催しました。
スマホやタブレットやノートパソコンを使いながら誰もいない仮設スタジオで、1人でしゃべって1人で花生けているって退屈だって思うでしょ。
これが中々、楽しいんですよ。
一番のポイントは生徒さんとの交流かな。
一方通行の考え方ではなく双方向の流れをいかに作るか、これが一番大切だと私は思います。
今日もお陰であっという間の3時間でした。
いけばなには花材が大きな影響を与えます
「オンライン講習会」だけに限らず、いけばなの作品は「材料」という要素によって作品の出来不出来に大きな影響が出るのですが、これはお稽古の時も展覧会の様な機会の時も同じことが言えます。
ここで”「材料」という要素”というと良い材料に出会うことが出来た時という風に思う方が多いでしょうが、実はそこには”材料の良い見立て方”をすることが出来た時も含まれているのです。
だって”いけばな”は、花材(お花を生けるのに使う材料。植物。)が無いと作品を作り上げる事が出来ないものですし、その作品を作るのは人間なのですから、”人による”って当然のことですよね。
これは昔から変わらないことで、実はいけばなには「花は足で生ける」という言葉があるのです。
花は足で生ける
「花は足で生ける」といっても、花を足で持って挿して生けるって事ではないですよ。
少々器用な人でも無理です!(笑)
では「花は足で生ける」って何を言っているかというと、「材料探しには労力を掛けなさい」ということなのです。
昔はお花の材料は、野や山に採りに出掛けていました。だってお花屋さんなんて無かったですから。
そんな中で良い材料に出会おうと思うとあちらこちらに歩いて出掛けて探さないといけないし、ぼ~っとしていても良い材料との出会いなんて望めないのは言うまでもなく、そこには良い材料を見出すために必要な自分自身の見立てる力も不可欠だよっていう事に他ならないのです。
「花は足で生ける」の心は今も同じ事です
これって今も全く同じだと思います。
良い材料とめぐり逢おうと思ったら労力を掛けないといけません。材料の良いところを見出すことが出来るようになろうと思ったら自分の目を育てる労力を掛けないといけません。
知り合いに山を持たれている方があるならば、山歩きをして良い材料を探す、まさに「足で生ける」を実践しないといけないでしょうし、良い材料を探してお花屋さん巡りをするのも「足で生ける」でしょう。
材料探しに行ける山が無い方はお花屋さんに依頼して材料を取り寄せるために、お金という労力を掛けるのも現代版「足で生ける」ということでしょう。
ギリギリの本数から使う材料を見立てるよりも、沢山の材料の中から最適なものを選んだ方が良い材料に出会えるのですから、これもお金という労力を沢山掛けたという事で、「足で生ける」という事なのだろうと思います。
良い花材に出会えるのは、出会える努力をしたからこその結果です
良い材料と巡り合うのは、ある意味出会いです。
しかし良い材料と出会うのは、良い材料を見立てる事ができる目を養う努力と出会える努力をしたからこその結果なのです。
すなわち「花は足で生ける」というのは労力を掛けた必然でもあるのです。
素敵な作品の陰には、こういう見えない労力も掛けられているのです。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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