今日から二十四節気の「白露」です。二十四節気に出てくる名称って意味を知ると、「お洒落だなぁ」と思うと共に「深いなぁ」と思います
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日9月7日は、二十四節気(にじゅうしせっき)の「白露(はくろ)」と言う日になります。
二十四節気とは
この二十四節気というのは、時候を分けるのにカレンダーの12カ月では大雑把すぎるやん・・・って事で、1年を24等分に分けて、そのそれぞれの季節が持つ特徴を名称としたものになります。
ちなみに皆さんがよく耳や目にされる、立春・立夏・立秋・立冬、夏至・冬至などもこの二十四節気の中のひとつになります。
ちなみに、土用とか八十八夜、入梅などもよく目や耳にしますが、これらは二十四節気ではなく「雑節(ざっせつ)」と呼ばれるものになります。
「白露」って「白」の文字が使われているけど
「白露」って聞かれたら、ほとんどの人がこう思われる方も多いかもしれませんね。「9月のなのに ”白” ? ”白” って冬の事じゃないの?」って。
日本人は「白」って聞くと雪の色や氷とかを連想しやすく、その結びつきから ”冬” って連想される方が多いかと思います。がしかし実は全く違うのです。
この事について理解するためには、「五行思想」というものについてまず知ることが必要になります。
「五行」 とは
「五行」って聞くと、占いとかって連想される人もあるでしょうが、これって昔から伝わる「ものごとの考え方」の1つになります。
ちなみに五行の考え方は、この地球上は5つの要素で成り立っていて、その要素がお互いに作用しあうことで成り立っているというものになります。
そしてその5つの要素とは「木」、「火」、「土」、「金」、「水」になります。
これら5つがどの様な関係性にありお互いに影響を与えあう存在なのかと言いますと、「木」はこすれあうことで「火」が生まれ、「火」が燃えた後には ”灰” すなわち「土」が生まれ、「土」の中では鉱物すなわち「金」が生まれ、「金」(金属)は温度の差で「水」が生まれ、「水」(水分)のあるところでは植物すなわち「木」が生まれるというように、循環し影響しあう事によってこの地球上の営みが行われているという考え方になります。
5つに分類することで見えてくるものがある
古来からの考え方には、様々なモノをこのように5つに分類して捉える考え方があり、その一つが先ほど書いた「五行」になります。
ちなみにこの考え方には季節や色、そして様々なモノを5つに分類することができるので、そのいくつかを表にしてご紹介しますと以下のようになります。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五時(五季) | 春 | 夏 | 土用 | 秋 | 冬 |
五色 | 青 | 赤 | 黄 | 白 | 黒 |
どうでしょうか。この表で「春」を見て頂くと、春に該当する色は「青」になっているのがお分かりいただけると思いますし、「秋」を見ていただくと、秋に該当する色は「白」になっているいうのがお分かり頂けると思います。
ちなみにこれって私たちが日頃使ったり耳にする「青春」、詩人であり歌人である北原白秋の「白秋」などもここからきているのです。
「白露」は、この時候から夜明けに木々や葉に露が付く秋ということで、白露と名付けられているのですが、この名付けって、ものすごく粋だと思うのです。
こういう発想やものの表現ができる日本人って素敵だなと思いますし、私もこういう大人になりたいなあと思います。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。