いけばなの講習会を受講するときには、綺麗に生けようとするのではなく「学びや気づきを得よう」とすることが大切なのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

皆様からご心配いただいています私の左足ですが、順調に回復致しております。木曜日の一番悪い時は全く左足に体重をかけることができず四つん這いで歩いた方が早いような状態でしたが、昨日(金曜日)は足に少しは加重することができるようになったので杖も不要になり、今日は靴も履けるようになったので朝から所用でお出かけしてくることもできました。

私の中の動物の部分を開放して、「動物の呼吸 その壱!」みたいなイメージを持って回復に努めています。(笑)

そんな今日は、午前から午後にかけて光風流の講師研究会を開催しています。

 

日頃のお稽古や講習会を充実させるためには、指導の良し悪しだけではなく受講される方の取り組み方も大きく影響しています

いけばなは言うまでもなくお花を生けることがその中心ですが、良い作品を作りたいと思ったら知識や技術を向上させることが不可欠になります。
そしてその為に、光風流の各地の教室でのお稽古や、光風流本部いけばな教室での講習会や研究会、各地の支部での講習会などを開催しているのですが、実はこの講習会や研究会を受講される皆様自身の受講に対する取り組み方次第で、たくさんの学びを得ることができたりできなかったりするってご存知でしょうか。

今日は光風流の皆様が講習会を受講されるときに、その時間が少しでも有益な時間になるために欠かせない事について書きたいと思います。

講習会や研究会では、時間を意識することが大切です

光風流のいけばなの講習会や研究会は、ざっくり言うと3部で構成されています。
1つは “学科講義“、1つは “実技“、1つは “手直し“ になります。

まず「学科講義」は、その生け方を行なうために注意するべき点やその生け方に関連する理論になります。「実技」は、その日のとりあげている生け方について実際にお花を生ける時間になります。そして「手直し」は、生けられた作品について良い点や課題となる点などについて実際に指摘をさせて頂き手直しをしてゆく時間になります。

そんな講習会や研究会は3時間とか4時間という風に決められた時間の中で行なっていますので、受講して頂くにあたっては時間配分をシッカリと意識しないと時間だけが過ぎ去ってしまうような事になりかねないのです。

講習会や研究会の受講で大切なのは、綺麗に生けようとするのではなく、「新しい学び」や「気づき」を得ようとすること

いけばなの講習会や研究会では、お花を綺麗に生けていただく事が目的ではありません。では何が目的かというと、1つでも多くの学びや気付きを得ていただくという事になります。

綺麗に生けることが出来るかどうかは、その方の持っているそもそもの基礎力によります。
なので練習不足で出来ない事を、講習会や研究会という限られた時間の中で出来る様に繰り返し行なって時間を消費してしまうのは極めて勿体ないと言わざるを得ません。
したがって、技術的に未熟で出来ない事や練習不足で出来ない事は、講習会や研究会の場で四苦八苦して時間を無意味に浪費するのではなく、日頃のお稽古や自分で行なう練習で繰り返しお稽古を行なっていただくべきことになります。

例えば枝を添わせる技術が未熟で添いが悪い場合は、そこにいくら時間を講習会の中で使っても無駄だと言う事です。だって出来ない技術が10分や15分余計に時間をかけたからといってできるようにはならないのですから。なのでそれはご自分の日頃のお稽古で練習していただき、講習会で学ぶべき事柄に目を向けたほうがいいのです。

お分かりいただけますでしょうか。講習会や研究会の限られた時間を出来ない技術の習得のようなことに使ってしまって、生けた作品についての指導を受け、学びや気づきを得る時間が少なくなってしまったり無くなってしまっては勿体ないのです。

沢山の気付きや学びを得て、有意義な時間を過ごしていただきたい

時間は無限ではありません。今は今しかないのです。一度失った時間は取り戻すことはできません。

せっかく忙しい中を時間を調整して受講されている講習会や研究会なのですから、そこでなければできない事をするべきなのです。すなわち、お花を綺麗に生けたり技術を高める為の繰り返すお稽古の時間ではないという事です。
そしてそこでなければ出来ないお稽古とは、調和のバランスを学ぶ、未経験の技術や理論を学ぶ、今まで学んでいた事柄をより高いレベルで習得するという事に他なりません。

講習会や研究会の時間いっぱい使ってお花を生ければ良いなんていう考え方をしていては、「お花は生けました。。しかし学びや気付きはほとんどありませんでした」という結果になってしまうのです。

内容の濃い時間を過ごすことが出来るか、あるいはそうでないかは、自分の取り組む姿勢次第で大きく変わってくるのです。
光風流で講習会や研究会を受講されている皆さんの1人でも多くが、少しでも沢山の学びや気付きを得ていただける事を心より願っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。