秋のお彼岸に仏様にお供えする「おはぎ」って、春にはなぜ「ぼた餅」って呼ぶのか
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こんばんは。今日は一日ゴソゴソしている内藤正風です。
さて明後日から「お彼岸(ひがん)」ですね。
今年のお彼岸は、9月20日(木)が彼岸の入りで、9月23日(日)が彼岸の中日(秋分の日)、そして9月26日(水)が彼岸の明けになります。
お彼岸って何なのか?って事については
お彼岸に、あの世とこの世の距離が一番近くなると言われている理由
ってブログを去年書いてご紹介させて頂きましたので、興味のある方はご覧くださいネ。
同じものなのに、なぜ「おはぎ」と「ぼた餅」と2種類の呼び名があるのか
お彼岸に欠かせないものの一つとして「おはぎ」があります。
仏様にお供えするだけではなく、たま~~に食べると美味しいんですよね。
ところでこの「おはぎ」って「ぼた餅」と同じものなのに呼び名が違いますよね。
しかし同じ物なのになぜ呼び名が違うのか。。。。。
実はこれってムッチャ単純な事なんです。
「ぼた餅」とは「牡丹餅」
春の牡丹の花が咲くころに、牡丹の花に見立てて作られたので「牡丹みたいな餅」→「牡丹餅」→「ぼた餅」って名前で呼ばれているんですね。
いや~、ただの餡子餅を ”牡丹の花” に見立てるだなんて、日本人って ”粋” だな~って思います。
たしかに私のイメージとしては、田舎に行くほど「ぼた餅」が大きくなるイメージがあります。もしかしたら昔の「ぼた餅」って今と較べものにならないほど大きかったのかなぁ~~。
けれどそんなに大きかったら、1つ食べたらお腹いっぱいやないですかねぇ(笑)
「おはぎ」とは「御萩」
秋のお彼岸の頃になると”萩の花”があちらこちらで咲きますが、餡子の小豆餡の様子を萩の花に見立ててこの名前で呼ばれているのです。
ってことはですよ、「こし餡」を使うと「おはぎ」にならなくなっちゃうって事なんですね。
(笑)
つまり同じ品物ですが、季節で呼び名が変わるんですね。
春は「ぼた餅(牡丹餅)」、秋は「おはぎ(御萩)」
ちなみに、「ぼた餅」も「おはぎ」も1年中売られていますよね。そうなんです!実は夏と冬の呼び方もあるのです。
夏には「夜船」
なぜ「夜船」というのか。。。それは
「牡丹餅」には”餅”と言う名前がついていますが、お餅の様に杵と臼でペッタンペッタンとつきません。
ご飯を半分くらい潰すようにして塊りにして作ります。
なので作るときにペッタンペッタンと音がしないので、近所の人が「いつついたのかわからない」ということから→「つき知らず」→「着き知らず」となって、夜は暗くていつ船が着いたのかわからないと言う事になぞらえて「夜船」と言います。
うん。駄洒落です。単なる言葉遊びです。(笑)
冬には「北窓」
夏と同じように作るときにペッタンペッタンと音がしない事から、近所の人が「いつついたかわからない」→「つき知らず」→「月知らず」となって、月を知らないと言うのは月が見えないと言う事から、月が見えないのは北側の窓と言う事で「北窓」と言います。
ええ、ばんざ~い!ばんざ~い!!ばんざ~い!!!って感じです。
山田くーーん座布団三枚!!!って。
(笑)
日本人の”粋”を感じる名付け
駄洒落と言うか言葉遊びというか、しかしいづれにしろ、単に餡子餅(あんこもち)とは言わずに、季節によって名付ける洒落っ気は、日本人って「粋」ですよね。
私はこういう洒落っ気って大好きです。
今年のお彼岸は「おはぎ」を食べながら、こんな小ネタを話して見たら面白いですよ~~。
追記 「おはぎ」の"粒あん"と"こし餡"について
奈良で「菊岡漢方薬局」をされている"菊岡泰政"さんから、おはぎの粒あんとこし餡の事について、そして小豆の雑学について教えて頂いたので、追加してご紹介させていただきます。
収穫時期に作るおはぎは、皮が柔らかいので粒あん
一冬超したぼた餅は、皮がしっかりするので、こしあんという話もあります。
また、サポニンという泡立つ成分が含まれて、平安時代は煮汁や粉末を石けんのように使っていたということです。
あの黒髪は、小豆で洗っていたんですねえ。
漢方薬としての「小豆(しょうず)」は、長くなりすぎるので、また今度・・
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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