お彼岸に、あの世とこの世の距離が一番近くなると言われている理由

「秋分の日」は、”秋” を知らせる日ではないんですよー
秋分の日と彼岸に、なぜ関係が有るのか
あの世が「西」にあると言われる理由
三途の川とは？
彼岸に「あの世」と「この世」の距離が近くなる理由

こんばんは。
いけばなの光風流家元　内藤正風です。

今日は敬老の日で、三連休だった方も多い事と思います。
私は土日祝日に関係なく、定休日とも縁のない生活を送っていますので、土曜日も、日曜日も、そして今日も普通にお仕事三昧でした。（笑）

この「敬老の日」が来ると、秋の彼岸になります。
今年は9月23日（土）が「秋分の日」になりますので、その前後3日間ずつの一週間が彼岸になります。
すなわち彼岸の入りが9月20日（水）で、彼岸の明けが9月26日（火）ってことですね。

「秋分の日」は、”秋” を知らせる日ではないんですよー

ちなみにこの「秋分の日」と言うのは ”秋” を知らせる日ではないのをご存知ですか。
「秋分の日」は国民の祝日として法律によって制定されているもので、その趣旨は「祖先を敬い、亡くなった方を偲ぶ」日とされていて、秋をお知らせする日ではないのです。（笑）

秋分の日と彼岸に、なぜ関係が有るのか

昔から春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さが同じになると言われています。
（実はチョットだけ違うんですけどね。。。（笑））

これは、春分と秋分には太陽が真東から昇って真西に沈む事からそう言われているのですが、この太陽が真東から昇って真西に沈むと言う事が、彼岸にはとても重要な意味が有るのです。
それは、あの世とこの世の距離が一番近くなると言うことなのです。

これだけでは聞いていても、は？？なんのこと？？？ですよね。
私も若い頃はそうでした。
なのでもう少し説明させて頂きますね。

あの世が「西」にあると言われる理由

古来より”あの世”は「西」にあると考えられています。
これは人が生まれ死んでゆくのを、太陽や月に置き換えると、陽が昇る・月が出る＝人が生まれる、日が沈む・月が沈む＝人が死ぬということで、西にあの世が有ると考えたと言うことで、皆さんがよくご存じの孫悟空の物語でお釈迦様の有りがたいお経を頂きに行く物語は「”西”遊記」ですし、あの世の事を「”西”方浄土」ともいいますよね。
そういうことから「東」はこの世、「西」はあの世であると考えられたのです。

三途の川とは？

そして、この世とあの世は何で分けられているかというと、「三途の川」があるのです。
「三途の川」聞いたことありますよね。
無くなった人があの世に行くときにわたる川です。
この川を渡る船に乗るのに昔のお金で”六文”必要なので、棺桶に六文銭を入れるのです。
（今は火葬にするので、紙に印刷した六文銭ですけどね。三途の川で言っているでしょうね「お金偽造や～～」って（笑））

彼岸に「あの世」と「この世」の距離が近くなる理由

彼岸には、あの世とこの世の距離が一番近くなるので、仏様をおまつりするのにふさわしい時と言うことで、お墓参りをしたりします。
ところであの世とこの世の距離が彼岸に一番近くなると言うのは何故かわかりますか。

実はここに、先に書いた秋分の日に太陽が真東から真西に動くと言うことが大きな関係をしてくるのです。

すなわち、三途の川を太陽が横切る角度が変わる事によって、あの世とこの世の距離が変わると言うことなのですが、これ言葉で言っても全く分かんないので、絵にかきますね。

●彼岸の時（太陽が真東から昇って真西に沈む）

●彼岸以外の時

わかります？
ようするに、太陽が真東から昇って真西に向かって三途の川を直角に横切るか、それとも斜めに横切るかの違いで、三途の川の上を通る距離が変わるって事なんですね。

あの世とこの世の距離は変わらないんですが、そのわたり方で距離が変わるって事なんです。

ってことでお彼岸にはチョットだけご先祖様の事を意識してみてはどうでしょうか。

内藤正風PROFILE

内藤正風

平成５年（1993年）、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。