お彼岸になぜお墓参りをするのか、その理由は ”太陽の動き” にあるのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今週末の日曜日(私は月曜始まりのカレンダーにしているので今週末ですが、日曜始まりのカレンダーにしている人にとっては来週の週初めかな(笑))から「彼岸(ひがん)」にはいりますね。
お彼岸にはお墓参りをされる方も多いと思います。ところでなぜ彼岸にはお花参りをするのかご存じでしょうか。
今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。

彼岸とは、いつの事か

そもそも彼岸は、春と秋の2回あります。春の彼岸は「春分の日」の頃、秋の彼岸は「秋分の日」の頃になります。
春の彼岸は ”春分の日” を「中日(ちゅうにち)」として、前に3日間と後に3日間の1週間と定められており、秋の彼岸は ”秋分の日” を「中日」として、前に3日間と後に3日間の1週間と定められています。

ちなみに3月17日(日)は「彼岸の入り」と呼ばれ、3月20日(水)の春分の日は「彼岸の中日」、
3月23日(土)は「彼岸明け」と言います。

彼岸になぜお墓参りをしたり先祖祀りをするのか。

彼岸にはお墓参りをすると耳にされたことがある方も多いと思います。それではなぜ彼岸にお墓参りをしたり先祖のお祀りをするのはなぜでしょう。
これには実は、仏教の考え方と日本の古来からの考え方が結びついたからこそ生まれた、日本独特の考え方があるからなのです。

そもそも彼岸とは「あの世」のことをさします。
三途の川って聞かれたことありますでしょうか。人間が死んだら、あの世に向かって一列に並んで歩いて行って、この三途の川を渡ると言われています。
ちなみに、三途の川の手前には脱衣婆(だつえばぁ)という婆さんが居て、着ているものすべて剥ぎ取られてしまうそうです。裸で川に入るの水が冷たくて寒いやろうなぁ・・・とか、男性や女性の裸が見れるの?って思われたあなた、煩悩パワーが凄すぎます。

話を戻しまして(笑)
この三途の川の対岸(あの世側)を「彼の岸(かのきし)」すなわち「彼岸(ひがん)」と呼びます。そして反対側の私達がいるこちら(此方)側の岸のことを此岸(しがん)といいます。

で、春分の日と秋分の日は昼と夜の長さがほぼ同じになる事から、この「彼岸」と「此岸」の距離が一番近くなると考えられているのです。
。。。。。昼と夜の長さが一緒やったら、なんで距離が近くなるんや??って思ったあなた、素晴らしいです。
私も若いころには、これがなぜ近くなるかっていうのが全然わからなかったのです。

なぜお彼岸に「彼岸」と「此岸」の距離が一番近くなるのか。

西方浄土(さいほうじょうど)って言葉がありますよね。あの世の事です。
この言葉にありますように、昔から「あの世」は「西」にあると考えられており、その対岸にあたる「この世」は「東」に位置すると考えられています。
文字ではわかりにくいので絵でかきますね。

IMG_9809さて、ここからはよーく考えながら読んでくださいね。

春分と秋分は昼夜の長さがほぼ同じ日ですので、ということは太陽が真東から昇って真西に沈むと言う事になります。すなわち太陽が三途の川を直角に横切る様になるのです。
って事は、太陽が三途の川を横切る距離が一番短いと言う事になりますので、それはすなわち彼岸と此岸の距離が近いという事なのです。
太陽の動きを書き加えた絵を見ながら考えてくださいね。

IMG_9810

反対にそれ以外の季節(春と秋の彼岸以外の日)は、太陽が真東から真西と言う軌跡で動くのではなく、三途の川を斜めに横切るので、太陽が三途の川を横切る距離が長くなる。すなわち彼岸と此岸の距離が長くなるという事なのです。
分かりましたでしょうか。川の幅が変わるのではなく、太陽が川を横切る距離が長くなるという事なのです。

IMG_9811ちなみにこの「彼岸」と言う風習は、仏教の考え方と日本に仏教伝来前からあった太陽や祖霊信仰と結びついて出来上がったものなので、仏教国の中でも彼岸のお祀りがあるのは日本だけなんですよ。

お彼岸には、特別な事をしなければならないと言う事ではありません。

ということで、あの世とこの世が近くなる時だから、ご先祖さんの事思い浮かべてみたらどう?って機会が「彼岸」って事です。

なので「彼岸」を小難しく考えずに、親御さんやご先祖さんの事をチラッとで良いから頭に思い浮かべる日くらいに思って頂いたらいいのではないでしょうか。
こう言うことって何か機会やキッカケがないと、ついつい忘れちゃっているじゃないですか。。。

「彼岸やなぁ~、そう言えばお爺さんが亡くなって〇〇年経ったなぁ・・」でいいんです。
もしもう少し思えるようならば、コップに1輪のお花を立ててさしあげるだけでいいんです。あるいは、お彼岸やから兄弟でご飯でも食べに行こうか~でもいいんです。
それだけでご先祖様は喜んでくださるとおもいます。

だって自分がご先祖さんの立場だったらどうですか?
取ってつけたみたいに何かをされるっていうよりも、お彼岸をきっかけにみんなが集まってくれたり、自分のことをチョットでも思ってくれたり、話題にしてくれたら、それだけでムッチャうれしいでしょ??

お彼岸を特別なものと思わずに、一つのきっかけや節目として考えれば、皆さんの生活も楽しくなるでしょうし、みんなで幸せを感じて頂く事が出来るのではないかと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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