暑い季節に、お花を生けている器の水に「氷」を入れるというお話をよく耳にしますが、これって実はほとんど効果がないってご存知ですか

こんばんは。内藤正風です。

今日は暑かったですねー。昨日まで大雨だったので、今日の晴れが余計に暑く感じただけ間もしれませんがね。。(笑)
これからの暑さ本番になってくると、「お花の水に氷を入れてあげた」ってお話をあちらこちらでよくお聞きするようになります。

お花を生けている器の水に「氷」を入れるのは効果があるのか

お水に「氷」を投入、貴方もされていますか?

人間も暑くて参っているのだから、お花も水に「氷」を入れてあげて水温を下げてあげると元気になるだろうと思いますし、長持ちするだろうと思いますよね。
氷の入ったジュースや、よく冷えた水割りを飲んだらおいしいですもんね。

ええ、気持ちはすごくわかります。

しかしお花の水に「氷」を入れるっていうのは

ハッキリ言って、逆効果なんです!!!

お花を生けている水に氷を入れるのは、なぜ逆効果なのか

確かに「氷」が常にお水の中に入っていると言う状況ならば効果はあります。
解説するならば、「氷」がお水の中に入るという事は水温が限りなく0℃に近づくわけですから、バクテリアの抑制効果と、冷蔵効果は出てきます。

けれど皆さんが「氷」を入れられているのは、たまたま気が付いた時や、たまたま気が向いた時に氷をお水の中に入れられているわけですから、先に書いたような状態には全くなっていないですよね。
まだそれどころか、「氷」を入れた時には限りなく0℃近くに水温がなりますが、時間が経過して「氷」が解けてしまったら水温は限りなく気温に近付いて、今の季節だと35℃とかに近付いたりするわけです。

人間でも、無茶苦茶にクーラーの効いた部屋と30℃をゆうに超える屋外を行ったり来たりしていると体調崩しますよね。それと同じようにお花にも気温の大きな変動や、水温の大きな変動は良くないのです。

お花を長持ちさせるためには、水温や気温の大きな変化は避けたほうが良い

では何が大切かというと、一番のポイントは”大きな温度の変動をさせない”という事です。

「氷」を入れて水温を下げておくならば、ず~っとその状態にしておく。気温に近い水温の状態ならば、ず~っとその状態にしておくというのが一番よいのです。
ただし、水温の高い場合にはバクテリアが発生して水が傷みやすくなりますので、水替えを小まめにしてあげてくださいね。

気の向いた時だけお花の足元の水に「氷」を入れても、効果は全く見込めないです。まあ気休めと言うか、自分が自己満足出来るという効果はありますがね(笑)(笑)

この季節にお花を長持ちさせるのに一番効果があるのは、小まめな水替えを心がけて頂くと一番お花が長持ちしますよ!!

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。