「孝行のしたい時分に親はなし。さればとて石にふとんも着せられず」と、ならないように

こんばんは。いけばなの光風流家元 内藤正風です。

今日から12月ですね。12月1日は父でもある先代家元の誕生日です。
そんな12月1日にはいつも思う事があります。それは。。。
「もっと誕生日のお祝いをしてあげてたらよかったなぁーー」って事です。

明治生まれの父親

私は父が高齢での子供で、街を歩いていると親子に見られたことはなく確実に「いいねーおじいちゃんと一緒にお出掛けしてもらえてーー」って言われていました。
そんな父は明治生まれの厳しい人でしたので、今の世の中の一般的な感じの父子とは全く違う親子関係でした。
たぶん皆さんがテレビとかでご覧になられる明治時代や大正時代を取り上げられたドラマで描かれているような父子と言う感じと言うのが一番想像して頂きやすいのかなぁと思います。
けれど父には殴られた経験はありません。母親にはよくお仕置きされましたが。。。(笑)
父に殴られた事は無いのですが、子供の頃は父はとても怖い存在でした。この怖いというのは今思えば大きな存在で、父の発する言葉の全てが重く心に響き、そこに居るだけでも迫力が有ったのだと思います。

もっと父とイッパイ話をしたり関わっておくべきだったと思う

そんな感じの父子でしたので、父らしく子供らしくというか、そこには超えてはいけない一線が有るとおもっていました。なので「おーい親父、誕生パーティーしようかーー」って感じには中々ならなかったのです。
けれど今思うと、もっとそう言うことをしてあげたかったなぁ~!父としたかったなぁーー!!って年が経てば経つほど思うようになってきました。

孝行のしたい時分に親はなし

まさに「孝行のしたい時分に親はなし」の心境です。
この言葉には続きが有って「さればとて石にふとんも着せられず」と続きます。この歌でいう石とは墓石の事をさしていて、瀧瓢水(たきひょうすい)と言うこの歌の作者が、母親の臨終に立ち会えず、お墓参りをした時に詠んだ歌だそうです。

一般的に普通は親の方が子供よりも先に老いるし亡くなります。そして一緒にいるとついつい文句を言ったりしてしまいがちなのが親子なのかなと思います。しかし「あーもっと親孝行しておいたら良かったなぁ。。」なんて思わなくていいように、しっかりと親孝行をしておくのが絶対に良いと思います。
あとから、もっとこうしておけばよかったなんて思っても後の祭りです。出来うる限りの事をして、万一に親孝行しすぎたって後悔する事が有ったとしても(まあないでしょうが)、”しなかった後悔”よりは”した後悔”の方が絶対に良いと思います。

これからクリスマスやお正月で家族が集まる機会も多いと思います。ぜひチョットでもいいので親孝行して楽しい時間を過ごしてくださいね。

そんな事を思った12月1日でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。