門松や注連縄、お正月のお花は何故12月30日中に飾らないといけないのか、その理由を解説します
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日は朝から夜まで、光風流本部いけばな教室のお稽古日でした。
そんな中、「一夜飾りはしてはいけない」という古来からの言い伝えについて生徒さんと話す機会があったのですが、今日は「一夜飾りをしてはいけない」根拠などについてブログを書きたいと思います。
実は、12月29日もお正月の準備に関する事をしてはいけない
門松や注連縄をはじめとする正月飾りは「12月30日までに飾らないといけない」と言いますが、実はその前日の12月29日も、正月飾りに関する事をしてはいけないと言われているのをご存じでしょうか。
なぜ12月29日に正月飾りに関する事をしてはいけないのか、ちゃんと理由があるのです。29日って「にじゅうくにち」と読みますよね。つまり、29日の「9」が「く」とも読めますよね。
すなわち「9」→「く」→「苦」に繋がるから避けるという言い伝えによるものです。
日本では古来より「4」は「し」とも読みますので、「死」につながることから避けられる数字ですし、それとともに「9」も避けられる数字でもあるのです。
なのでこの日には、お飾りを付けたり、お餅をついたり、お花を生けるという事を避ける方や気にする方がおられると共に、古来より避けるようになっているのです。
門松は目印、注連縄は結界、松を使ったいけばなは依り代です
さて話を元に戻して、門松や注連縄は次の年の歳徳神をお迎えするために飾るものです。ちなみに「門松」はランドマークすなわち目印としての役割、「注連縄」は結界としての役割があります。
歳徳神は12月31日になった瞬間に、翌年の歳徳神がそれぞれのお家や会社やお店に来られます。この歳徳神が来られたときに「門松」が無いお家には歳徳神の目印になるものが無いわけですから、歳徳神がたどり着くことが出来なくなってしまいます。そして「注連縄」の無いお家は「この家は、歳徳神を迎えるために必要な準備が出来ていまい」と判断されてしまい、歳徳神が家の中へ入られずにそのままお帰りになってしまわれるようになりますし、お家の中に松を使ったお花を生けておられないと、神の依り代が無いという事で才徳神の居場所がなくなってしまうという事なのです。
なお歳徳神は、1年交代で毎年変わられるので、このときに歳徳神をお迎え出来なかったら、翌年はその家に歳徳神はいらっしゃらないという事になっちゃうのです。
引継ぎに間に合わせるためには、12月30日中に飾っておく必要があるのです
ちなみに来年の歳徳神が、1月1日ではなく12月31日にお越しになられるのには理由があります。それは、今年の歳徳神と来年の歳徳神が前任から後任への引き継ぎを行なっておられるのです。なので前任の歳徳神は元旦までの間に引継ぎを行ない、1月1日になった瞬間に帰ってゆかれるという事なのです。
門松や注連縄、お花などのお飾りは12月30日には飾っておかないといけないと言う理由をお分かりいただけましたでしょうか。
内藤正風PROFILE

-
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。




