いけばなの家元が ”いけばな目線” で見る「七五三」の由縁や意味

おはようございます。内藤正風です。

今日11月15日は「七五三」ですね。
いま「七五三」というと11月の事と思われている方がほとんどだと思うのです。まあそれがダメってわけではないですが、古来からの定まりでは15日が「七五三」とされています。

 

七五三が11月15日とされる由縁

まずなぜ11月かというと、田畑をはじめとする秋の収穫がひと段落して ヒマ その収穫を関連する神様に感謝する月なので、その時に一緒にやっちゃおうーーって事らしいです。
まあ日本人って古来よりこういうユルーい民族ですからね(笑)

そして15日と言うのは、暦(こよみ)という昔のカレンダーの中に「二十八宿(にじゅうはっしゅく)」という吉凶を表すものがあり、その中で15日は鬼が出歩かないので何をするにも良い日と言う風に定められているという事と、七五三の7と5と3を足すと15になると言うことから、15日になったそうです。
こんな感じの語呂合わせも日本人好きですもんねー(笑)

暦に今も二十八宿って載っています

七五三ってそもそも何?

七五三は簡単に言うならば子供の成長を祝う節目と言うことで、もう少し加えるならば赤ちゃんと子供の境目と言うことです。

数え年3歳は「髪置きの儀(かみおきのぎ)」と言う節目で、昔は生まれてからこの年になるまでは髪を剃っていたそうです。で、この日から髪を剃らずに残す日と言う節目と言うことです。
数え年5歳は「袴儀(はかまぎ)」と言う節目で、男の子がこの日から袴(はかま)を身に着ける日になります。
数え年7歳は「帯解きの儀(おびときのぎ)」という節目で、女の子がこの日から大人と同じ着物と帯を身につける日になります。

ちなみに数え年と言うのは今の年齢の数え方とは違って、生まれたら1歳、そのあとは毎年正月に1歳ずつ年を取ってゆくと言うことになりますので、ザックリいうならば数え年3歳と言うのは満年齢の2歳と言うことになります。

昔は早逝する子供が多かった

昔は七五三をするっていうのは、貴族や武家そして一部の裕福なお家だけだったというお話も聞いたことがありますので、いずれにせよ七五三がこんなに一般的な行事になったのも昭和以降の事のようですね。

ただ今よりも医療のレベルが低かった昔は、生まれてから7歳くらいまでの間に亡くなってしまう子供が多かったと言うことを聞きます。なので子供さんの成長を祝う七五三は親にとって大きな喜びの行事ですが、昔の親御さんやご家族親戚にとっての喜びは、「よくぞ死なずに大きくなってくれた」という意味も含まれており、今の私達の感覚とはちょっと違ったのかもしれませんね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。