無駄や非効率には、省かなければならないものと、省いてはいけないものがあるのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は移動のバスの中からのブログアップです。

何でもかんでも「効率化」「簡素化」すればよいものではない

最近の傾向として、世の中全てが「効率化」とか「簡素化」というようなことをよく目や耳にする機会が多いように思います。
たしかに無駄を省くという事は大切なことだと思いますが、しかし無駄って何から何まで全てが不必要なものなのでしょうか。

例えば季節の変わり目や節目ごとに様々なイベントや行事があります。これからだとクリスマスやお正月があります。年を越えれば節分や卒業、入学や入社があります。
そんな節目やイベントって、全て無くても1年365日は過ぎてゆきます。だってクリスマスにケーキ食べなくても節分に豆まきをしなくても明日はやってくるし、卒業式しなくても卒業はできるし入社式をしなくても入社はできるのですから。

では、こういう節目は非効率だから無駄だから無くしてしまえ~って、すべて無くしてしまったらどうなるでしょうか。
1つ絶対に言えるのは、人生がメリハリもなく味気なくなっちゃうという事です。

例えば入学式や卒業式、あるいは入社式などは時間の無駄だから無くしてしまえとか、オンラインでいいだろうなんて考え方もできるでしょうが、コロナでそういうものが無くなったり簡単に済まされてしまわれた皆さんは、コロナだから仕方がないとは重々わかっているけれど、とても悲しかったでしょうし残念だったと思います。

あるいはクリスマスなんてしなくても日は過ぎてゆきますから、そんなの簡素化してやめてしまえ〜ってなると、クリスマスの飾りつけも町で目にすることがなくなり、クリスマスを理由に家族でご飯を食べる事もなくなり、クリスマスを理由にお出かけすることも買い物することもなくなっちゃうのです。するとどうなるのか、子供さんや家族が喜ぶ顔を見る事もできなくなるし、仲間や友達でワクワクすることもなくなるのです。
どうですか、そんな人生は魅力的ですか?

私は絶対に嫌です。

手間や時間をかけるからこそ生まれる価値もある

極端な例を挙げますが、卒業式で時間と労力の無駄だから、卒業証書は玄関に置いとくのでそれぞれ持って帰ってくださいって言われたら悲しくありません?ってか、卒業ってこの程度の価値なんだってガッカリもしますよね。
だって時間と労力の無駄だと思っているのは、卒業生ではなく学校側って事が形や態度になって現れているのですから。

クリスマスの飾りつけをして、クリスマスが終わったら片付けるの面倒くさいですよね。正月も近いのに手間減らしたいですよね。クリスマスの買い物なんて行ったら時間は消費するはお金も使うのです。

けれどなぜこういう風なことをするのかというと、相手が喜ぶ顔を見たかったり一緒に体験することを通じて記憶という思い出を作りたいからですよね。

勉強をすれば良い時間をあえて入学式や卒業式を行なう。仕事をすれば良い時間に入社式に時間を使う。だからこそ、その学校や会社の一員になれたことを誇りに思ったり喜んだりできるのです。
子供さんと一緒に手間をかけてクリスマスの飾りつけをするから、子供の笑顔を見る事が出来たり一緒にしたという形のない財産が心の中にできるのです。子供や家族や彼氏や彼女が、何をプレゼントしたら喜ぶかを考え、日ごろから情報収集をして手間と時間をかけるからこそ、喜んでくれた時が嬉しいんです。

手間や時間をかけると効率が悪いとかもっと簡素化したらいいのにと言われることが多いですが、世の中には必要な「無駄」もあるのです。
つまり手間をかける事や時間を使う事によって生まれる、非効率だからこそ生まれる価値もあるという事なのです。

無駄には無くしてはならない無駄がある

無駄を大切にするというと、「何を堅苦しいことを。。」とか「古臭いことを。。。」と思われる方も多いでしょう。あるいは、「そんな非効率なことに時間をかけてどうするの。。。」って言われる方もあるでしょう。
しかし私は、こういう無駄ではない無駄を大切にすることこそが人生を楽しく豊かなものにすることが出来る秘訣だと思っています

非効率や無駄は無意味や無価値なのではなく、逆に非効率や無駄と呼ばれるようなものにこそ、その理由や意味や真の価値が存在しているということだと私は思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。