コラボレーションで作家の方の器に生けるのは、普段お花を器に生けているのとは全く違う事なのです。
今日から「いけばな未来展」の丹波若手作家とのコラボ展示が始まった、光風流家元 内藤正風です。
朝から生け込みをしてきました。
今回の「いけばな未来展」は丹波立杭焼の若手の作家さんとのコラボレーションです。
私がコラボさせて頂いたのはこの方↓↓↓
清水 万佐年さんの器に生けさせて頂きました。
あっ!
いま「焼き物とのコラボなんて普通やん。お花って普段から器に生けてるやん!」って思ったあなた。
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2割あたっていて、8割はずれ~!!!
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微妙~な言い方(笑)
どういう事かと言うと。。。。。
たしかに「いけばな」は日頃から器にお花を生けています。
なのでその意味でいうと、正解です。
しかし、その器の見立て方や生かし方が、普段とは ”まるっきり” 違ってくるのです。
私たちは日頃お花を生ける時には、器も花の一部と考えています。
古来からの伝承に「器も花。敷板も花。生けている姿も花。」という言葉があることからもわかる様に、その要素全てが集まり調和を取って一つのお花を構成していると言う事なのです。
したがって器を見立ててどう生かすかは、自分の一存で決めてゆきます。
器の作者の意図や好みよりも、自分から見た器の特徴的なところや惹かれるところを最優先して、言うならば独断と偏見で使っています。
しかし、今回のように作家の方とコラボレーションしてその器を使わせていただく時には、器の作者が「この器のココがPOINTだ。ここが見せたい。」って思われているであろう所を見立てて、そこを見せるようにしますし、引き立たせることができるように作品作りを考えます。
一例をあげるならば、陶芸家の方は「口」にこだわられます。その出来不出来が大きく作品を左右します。
「口」っていっても人間の口ではなく、壺の生け口や水盤の縁の事です。
ですので私たちは陶芸家の方とコラボレーションするときには、「口」が綺麗に見えるように意識します。
私は今回、器の口はもちろんの事、器全体が出来るだけ見えるように、こんな風にしました。
特徴ある「口」でしょ(^^)
なのでグリッと見せたかったのです!
器にお花を生ける、と聞くと、何でもかんでも同じだと思われがちですが、実は普段私たちがしている事と、今回のコラボレーションで作家の方の器に生けるのとは、全く違う事なのです。
そんな事を頭の隅にチョット置いて作品をご覧いただくと、今回のコラボ展示の作品が違った見え方をするのではないかと思いますし、作品自体から皆さんに伝わったり感じたりする事も変わってくるのではないかと思います。
会場は、元町高架下(モトコー3)の196区画。
会期は13日(金)まで。
時間は12時~18時までです。
ご覧いただければ嬉しいです(^^)v
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。