呼吸の基本が吐くことにあるように、「学び」の基本もアウトプットにこそあるのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は朝から夜まで、光風流本部いけばな教室でお稽古三昧の1日になります。そんな中、お稽古しながら思った、学びをしっかりと得たければ、アウトプットこそが大切だということについて書きたいと思います。

全ての事は「呼吸」と同じ

あなたは「何かを得たい」と思ったときに、どういう行動をされますか。例えばお金を得たいと思ったら、あるいは学びを得たいと思ったらどうしますか。
多分ほとんどの方が、お金を得たいと思ったらアルバイトをするとかしてお金を得ようとします。学びを得たいと思ったら本を読むとかセミナーを受講するとかして学ぼうとされます。けれどこれって実は間違いだということをご存じでしょうか。

呼吸を考えてみれば解りやすいと思います。
息を吸いたいと思って吸いますね。最初はいくらかは吸えます。もっと吸いたいと思って吸います。もっともっと吸いたいと思って吸います。するとどうなりますか?吸えば吸うほど、段々吸える息の分量が少なくなっていって、最後には全く息を吸う事が出来なくなっちゃいます。そして息が吸えなくなると息苦しくなってきてしまいます。

ここで大切なこと、それは、息を一杯吸いたいと思ったら、まずしっかりと吐く事が大切なのです。シッカリと息を吐けば、その分だけイッパイ息を吸う事が出来るのです。

アウトプットしないから、滞って腐ってしまうのです

そしてもう一つ、吸う事(インプット)にばかり気がいっている人は、吐く事(アウトプット)しないから、自分の内にあるものを滞らせてしまって、腐らせていることに気が付いていない場合が多いです。

これは水を考えていただくとわかりやすいと思います。「水」は器に汲んで置いておくと、必ず痛んでしまいます。
バケツに汲もうと、コップに汲もうと、お花を生ける壺であろうと水盤であろうと、とにかく水を器に汲んでそのまま置いておくと必ず腐ってしまいます。
しかし、流水は腐りません。例えば川の水は、水源から海までどんなに長い距離があり長い時間が掛かっても腐る事はありません。

つまり「気」、「運」、「学び」、「お金」など全ての物に同じことが言えるのですが、アウトプットがしっかりとなされているからインプットが生まれ、そこに流れができるからこそ腐らないのです。

正しいアウトプットこそが大切

と、ここまで話を進めてくると、じゃあとにかくアウトプットすればいいのね。。と思われる方もおられるでしょうが、ここで一つ大切なのは「正しく」アウトプットするという事です。
呼吸で例を挙げますと、アウトプットとはすなわち息を吐くという事です。しかし普通に息を吐くだけではしっかりと吐いたことにはならないのです。まず第一番目としては深く大きな呼吸を心掛けることが大切です。イメージとしては肺を風船のように考えて、しっかりと肺を縮め中に入っている空気を最後のひと絞りまで吐き切るようにするという事です。そしてしっかりと吐き切れば、自然にしっかりと息を吸うことができるようになるという事です。

これを学びに置き換えると、自分の知っていることをしっかりとアウトプット(出す)することです。するとしっかりとアウトプットしようとすると自分の理解が浅い点やよくわかっていない点に気づくことができるようになります。なので自分の無知を知ることにつながり無知を埋めるためのインプットに自然に結びついてゆくのです。

お金も同じです。しっかりと使おうとすると、どういう使い方をするとよいのかを意識するようになります。そして正しく使うことができるようになると、使ったお金が新しい学びや経験や収入を生み出してくれるようになって、インプットに結びついてゆくのです。

「いけばな」もバトンをつなぐリレーのように「流れ」が一番大切なのです

いけばなも同じです。先生から教わったことを、自分のところで留めてしまっているから、大きな学びに結びつけることが出来ないのです。先生から教わった事は、どんどん周りのお友達やお弟子さんに紹介することで、良い流れを得る事が出来るようになります。

だって、私たちがしている「いけばな」とは、先生から生徒さんに伝えていく事で、約700年の歴史を積み重ねてきています。
すなわちこれは、リレーのバトンを渡すように先生から生徒さんにバトンを渡していくという流れの中で、歴史を積み重ねると共に発展してきているということですよね。

先生から習ったことを次代に伝える事をしないということは、そこでバトンが滞ってしまい新しい学びを得ることもできなくなってしまうという事ですし、それは「水」でいうと新しい水が入る余地もなく腐ってしまうという事であり、「気」でいうと「悪い気」になってしまうと言うことが、あなた自身に起こって来ると言う事にほかならないのです。

「気」も「運」も「学び」も全く同じで、流れるからこそ発展や進歩が有るのです。そしてその流れは出すからこそ入ってくるのです。「気」も「運」も「学び」もそこで滞ってしまうということは、自分自身の「運気」をも下げてしまい悪くしてしまう事に他なりません。

私は運が悪いと思っている人、良い事が起こらないなあと思っている人、幸せになりたいと思っている人、自分に欲しいものを取り込もうとせずに、まず出す事から行ってみませんか。
入れるよりも出す。インプットよりもアウトプット。溜めるよりも遣う。良い「気」や「運」や「学び」が欲しければ、まずは自ら進んで流れを作るのが一番の近道だと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。