特徴を見立てて生かすのは「いけばな」も「会社」も「家庭」も同じ事だと思います。

こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

今日は夕刻から「事始め」の準備を本部の役員の先生方が、光風流本部いけばな教室で行ってくださいました。

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「事始め」と言うのは、この日から新年を迎える準備を始める日として、古来より12月13日と定められています。
この日の夕刻のテレビのニュースとかでは、京舞の家元、井上八千代さんのところに舞子さんや芸子さんがご挨拶に行かれている映像や、奈良の大仏様の煤払いが行われている映像が流れたりするので、ご覧になられたことが有る方も多いんじゃないかと思います。

まあ平たく言ったら、12月12日までにお家や会社でしているお掃除は日常のお掃除で、12月13日以降に行うお掃除は、新年を迎える準備としてのお掃除ってことで、すなわち大掃除だよーーって感じでしょうか(笑)

得意な事をしてみんなが集まるからこそ大きな力になる。

事始めだけに限らず流派の行事を行うときには、役員や会員の皆さんの手を借りないと絶対に出来ません。

そして沢山の人が集まればその人それぞれの得意な事があります。
台の上とかにあがって作業をするのが得意な人。
細かい作業をするのが得意な人。
記録とかをとって纏めて整理するのが得意な人。
文字を書くのが得意な人。
みんなのテンションを上げるのが得意な人。
五人いれば五通りの、十人いれば十通りの得意な事があります。

だから私は、色々な人がそこに居る必要があるし、だからこそ多様な魅力が生まれるのだと思っています。

いけばなから学ぶ、会社や家庭での人の活かし方

いけばなは、複数の種類のお花を使って一つの器に生けます。
大きな花や小さな花、歪んだ枝や真っ直ぐな枝、丸いお花や長細いお花、ほんと色々です。同じ種類のお花でも咲き具合は全部違っています。
こうして見てみると2本として同じものはありません。
このお花のそれぞれの特徴を見立てて生かしてゆくのがいけばななのです。

歪んでいるからダメなのではなく、逆にその歪みにスポットを当てて特徴を取り出し生かすように考える。
小さなお花は存在感が無いのではなく、その小さいがゆえの魅力をどうすれば引き出す事が出来るかを考えます。

これって流派に置き換えても同じ事ですし、会社やお家に置き換えても同じことが言えるのだと思います。
1つの枝が一人の人、一本のお花が一人の人、一本の葉物が一人の人。
お花を生ける器は、流派であったり会社であったり家であるって考えてみてください。

みんな違うから面白いし、その違う人たちが自分の得意な分野で力を発揮するから魅力になるんじゃないでしょうか。
みんなを生かす事が出来ないっていうのは、言い換えればつかう側の問題ですよね。
いけばなならば生ける人、会社ならば社長や管理職、家庭ならばお父さんお母さんってことです。

右に曲がっている枝をまっすぐに直そうとするよりも、右に曲がっている状態で生かせるようにしてあげた方が魅力が生きますよね。
一人ひとりには足りないところや弱い部分が有っても、何人もが集まる事でお互いの強みを前面に出しながら、弱点はカバーしあう事が出来ますよね。

特徴を見立てて生かす。これって「いけばな」も「会社」も「家庭」もみんな一緒なんだなぁってホント思います。

事始めの準備の様子を見ながら、そんな事を思った日曜日でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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