西洋思想と東洋思想の違いに目を向けると、いけばなから学ぶ「対立からは何も生まれない」という事の本質を理解することが出来るようになります
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ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日は朝から滋賀に行き、加西に帰ってきて定例の会に出席し、この後また出かけないといけないので、定例の会に出席しながらブログを書いています。
いけばなから学ぶ「対立からは何も生まれない」という事
先日、光風流の流誌「光風たより」に掲載するいけばな作品の写真撮影に立ち会いながら、いつも撮影でお世話になっている栄光社の宮本博文さんと、西洋的思考と東洋的思考という事についてお話をさせて頂く機会がありました。
ちなみに私は西洋的思考と東洋的思考の違いの根幹にあるのは、絶対神と八百万信仰との違いだと思っています。そして「いけばな」はこの東洋的思考に基づいていますから、お花を生ける事を通じて「対立からは何も生まれないし一側面だけを見て判断してはいけない」ってことを学びます。
ちなみにいけばなの根底には、日本に古くから伝わる「陰陽(いんよう)」と言う考え方が流れています。
この陰陽という事についてウイキペディア先生を紐解いてみると、以下のように書かれています。
陰陽とは、古代中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陽(よう)と陰(いん)の二つのカテゴリに分類する思想及び哲学。陽と陰とは互いに対立する属性を持った二つの気であり、万物の生成消滅と言った変化はこの二気によって起こるとされる。
このような陰陽に基づいた思想や学説を陰陽思想、陰陽論、陰陽説などと言い、五行思想とともに陰陽五行思想を構成した。
と書かれていますが、こんなん読んでも全くわかりませんよね。(笑)
これ、「表裏」「明暗」「昼夜」と言うように置き換えると解りやすいかもしれませんね。
ちなみにここで重要なのは、「陰陽」とか「表裏」「明暗」「昼夜」って聞くと、一般的に相反し対立するものと思われがちですが、実はこれって一体のモノであり共存するものだってことなのです。
陰があれば陽があり、陽があれば陰がある
例えば「表と裏」で考えてみましょう。
上の写真を見て下さい。手には表と裏が有りますね。
仮に手のひらの側(写真で上向いている方)を裏、手の甲の側(写真で下向いている方)を表とします。これどちらか一方だけでは、手は成立しないですよね。
手には表(手の甲)も裏(手のひら)も必要なんです。両方備わっていて初めて手の役を果たすのです。
分かりますでしょうか。陰があれば陽があり陽があれば陰があるというように、互いが存在することで己が成り立つってことなのです。
陰が多くなれば陽が少なくなり、陽が少なくなれば陰が多くなる
今度は「昼夜」を考えてみましょう。
地球には昼夜が有り、太陽が当たっている間は昼間で、太陽が当たらなくなると夜になります。昼の次には必ず夜が来て、夜の次には必ず昼が来ます。
言い換えれば、夜が有るから昼が有るのですし、昼が有るから夜が有るのです。
そしてもう1つ大切なのは、夜には地球の反対側は明るくなっていて昼が無くなってしまっているのではないし、逆に昼には夜が無くなってしまっているのではないっていう事です。
すなわち、お互いに影響を与え合いながら変化してゆくと言う事で、陰が多くなれば陽が少なくなり、陽が少なくなれば陰が多くなると言う考え方です。
敵対する考え方は東洋思想には無く、正誤や対立からは何も生まれないし進歩も進化もない
こんな風に古来日本人をはじめとする東洋では、物事を相対するものではなく共存しているものと言う考え方をして来ているのです。
なのに特に戦後の日本では、西洋の一神教がもつ ”ただ一つの神が正しくそれ以外はすべて間違いである” という考え方に基づく対立の思考に大きく影響され、どちらかが正しくてどちらかが間違っているとか、どちらかが正義でどちらかが悪というような敵対の構図に全て物事を当てはめようとするから、無理が出てくるし矛盾しか生まれなくなっちゃっているのです。
そしてそんな考え方をしているから、何よりもまず自分自身がしんどくなっちゃうのです。
これってお仕事や日常でも同じじゃ無いかと思うのです。商売敵(しょうばいがたき)という敵対の考え方。雇用主と雇われ人と言うお互いに向き合う考え方。モノを売る側と買う側と言う考え方。
こんな対立の考え方するから、無理が生まれてきたり矛盾してしまったりして、しんどいんだと思います。
お互いを認め合う。そして共存共栄を考える。これこそが私たちがいけばなから学んでいる事だと思います。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。