全く無関係に思う存在のモノが混ざり合って出来上がっているからこそ、外国の文化は魅力的なんだと思います。そしてこれは正しく"いけばな"の魅力と同じです

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

突然ですが、皆さん万博にはいかれていますか。

世界各国の文化や価値観に、簡単にそして手軽に触れることが出来ますし、世界のエンタメを見ることが出来るので、可能な限り行かれて、色んなパビリオンをご覧になったり体験なさったら楽しいと思います。

さてそんな中で、私が海外に行ったときにいつも感じることがあります。それは「海外の文化の根底に流れる考え方の基本は保守的」だなぁって事です。
例えば分かりやすい例を挙げると、アメリカのイメージって合理的で先進的ってイメージを持たれている人も多いでしょうが、絶対に生活の基本は"保守"なんですよね。

ワイキキの繁華街は深夜12時に閉店する

私がコロナ前まで、2~3年に一度ずつ行っていたハワイなんかは一番良い例だと思うのですが、ホノルルで1番の繁華街ワイキキでも、深夜12時に大半のお店が閉まっちゃいます。
日本で大阪や神戸とかのような繁華街だと、朝までお店が開いていますよね。人がいるんだから商売になるって感覚です。

しかしワイキキというかハワイというかアメリカの感覚だと、12時には閉めるものって昔から決まっている。(もしかしたら条例で営業時間が決まっているのかもしれませんが。。。)とか、土日はお休みに決まっているとか、夜は家族と過ごすための時間だ、とかって言う感覚なんです。

ヌードに対する意識も、日本人は誤解している人が多い

女性や男性のヌードに対する意識も日本に比べると、極めて保守的です。海外のネットとかからのイメージで、そう言うものについても開放的と思われがちですが、町の中で女性のおっぱいが露出した写真が掲載されている雑誌なんて絶対と言って良いほど目にしません。日本も最近はそうなりましたね。

先に例に挙げたワイキキでいうと、ABCストア(日本のマックスバリューみたいな感じのお店)で女性と男性が水着姿のカレンダーが売られていたりしますが(水着を着ていてヌードじゃないですよ)、「adult only」になっており、このくらい保守的なんです。

"先進性"と"保守性"と言う、一見すると相反するものにより生み出される魅力は、正に「いけばな」です

これまで伝統的にしてきている事を変えようとすると、「なぜそんなことをしないといけないのか?これまでそれできているんだからそのままでいいじゃないか!」って言う考え方をする人も多いです。

アメリカは確かにいろんな部分で先進的ですし合理的です。しかしその核にあるのは「保守的な考え方」だと私は感じています。そして、この先進性と保守性と言う一見すると相反するもののように思う二者によるバランス感覚が、アメリカだけに限らず外国に行った時には見ていて本当に楽しいです。

私たちの感覚で見ていると、変えたら便利でいいのに〜って思うようなことを、頑なに守り続けている部分。それと共に、えっ!って思うような先進的な事をしている部分。その全てを見ていて本当に面白いなぁと思いますし、そういう中で生みだされている文化が、ものすごく魅力的にも見えるのです。

ちなみにこれって、いけばなの作品も同様なんですよね。色々な違うモノが集まり混ざり合うからこそ、そこに化学変化が起こる余地が生まれ、新しい魅力が生み出されるのです。
そんな事を考えていると、異文化に触れるって本当に楽しいなぁと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。