いけばなで一番大切なのは応用力であり、応用力を身につける機会が「光風流夏季セミナー」です
ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
今日「梅雨明け」が発表されましたね。
梅雨としては例年よりも長い期間だったそうですが、私の体感としては雨がよく降って梅雨らしい印象でしたが、ここ1週間ほどは「もう梅雨明けたのじゃないの?」と思っていました。
光風流の夏の風物詩「夏季セミナー」
梅雨が明けると、いよいよ夏本番、口を開けば「暑い。。暑い。。。」という言葉がついつい出てしまう時候になります。
そんな暑い盛りや寒い盛りの真っ只中に、日本では古来より研鑽を積む「寒稽古」や「暑中稽古」と言う伝統があります。
私ども光風流でも、創流以来この伝統を踏まえた特別な研鑽の機会を設けており、夏は「夏季セミナー」として開催を致しております。
とはいえ、この夏季セミナーは夏の暑い盛りに開催をしておりますが、クーラーのよく効いたお部屋で催していますので、暑さの中、汗を滝のように流しながら研鑽をするというような修行のような「暑中稽古」のイメージでは全くありません。
ではなぜ今もこの伝統を受け継いでいるのかというと、普段のお稽古や講習会では網羅できない特別な内容を取り上げ皆様に学んでいただく機会として、夏と冬に開催をしているということなのです。
いけばなは、なぜ「華道」と呼ばれるのか
いけばなは、お花を生ける知識や技術を学ぶものだと思われがちですが、実はそうではありません。
いけばなのお稽古で一番大切なことは、いけばなで学んだ事をいかにお仕事や日常の中で役立てるかと言うことこそにあるのです。
つまりいけばなで学ぶ知識や技術を生かす「知恵」こそが何よりも大切なのです。
お稽古を通じて学ぶ知識や技術は “道具“ です。大工さんで言うならば金槌や釘抜きや鉋やノミと言うような道具と同じです。どんなに良い道具を持っていても、その道具の使い方を知らなかったら全く役に立たないですよね。
そしてその道具の使い方を知った上で、どのように生かすことができるかという「生かし方」つまり応用力こそがその人の力量ということになるのです。
つまりいけばなを学ぶ中で大切なのは、技術や知識を正しくしっかりと学ぶと言うことが第1ステップであり、その学んだ知識や技術をどのようにいけばな作品の中で生かすかが第2ステップ、そしてこれらの事を通じて学んだいけばなからの学びを、日常生活やお仕事に役立てるかと言うことが最終ステップであり、これこそがいけばなが古来より「華道」と呼ばれている所以でもあるのです。
知識だけでは生かす(生きる)力につながりません
知識や技術の生かし方は、その思考力を身につけてゆく必要があります。
例えば金槌は釘を打つときに使います。これは誰にでもすぐにわかる事でしょうし、何度も使っていれば釘を真っ直ぐに打つこともできるようになってゆきます。
しかし金槌の頭を土台にして、釘抜きなどの支点にして大きな力を出すというようなことは、様々な場面を経験し見たり聞いたりしてゆく中で応用力が身についてゆきます。
つまり、知識や技術を身につける学びの場と、身につけた知識や技術を生かす力を身につけてゆく場は、別物だという事なのです。
光風流夏季セミナーは、正にこの知識や技術を生かす力を育てる場として開催しており、応用力を高める機会となっております。
今週末の光風流夏季セミナーでは、「基本はいつも美しい」のテーマのもと家元講義を行います。基本とは何か、基本の習得に必要なこと、基本の役割、基本をより高いレベルで習得するために必要なことなど、受講された皆さんにより高いレベルでいけばなの理解をしていただく機会にしてゆきたいと思っています。
どうぞお楽しみになさってくださいね。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。