いけばなは「総合力」が求められるものであり、夏季セミナーは「総合力」を ”簡単に養う事ができる機会” として開催しているのです

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

先週末は光風流における夏の恒例行事の「夏季セミナー」を開催しました。

この度の夏季セミナーは、「華道から生花(いけばな)、活花(いけばな)、挿花(いけばな)、そして「いけばな」のテーマの元、開催いたしました。

いけばなの本質は変わらないが、時代によって求めるものは変化しています

いけばなは時代によってその呼び名や文字が変化してきていますが、それには大きな意味があり、この呼び名の変遷を紐解くと、いけばなが何を大切に考えてきたのかをはっきりと理解することができる様になります。

そしてその事を土台にしながら、日頃のお稽古がどうあるべきかを考えると、生徒さんにとっても指導者にとっても答えを導き出しやすくなります。

今回の夏季セミナーでは、指導者と生徒さんの両方がそれぞれに学びや気づきを得ていただくことができる機会になったと思います。

いけばなには「総合力」が不可欠です

私共で開催している「夏季セミナー」は、単なる講習会という存在ではありません。と言いますのも、いけばなは様々な事を総合して出来上がっているものだからです。

例えば一例を挙げますと、いけばなは器にお花を生けます。つまり器のことについて理解をしているのといないのとでは、作品作りに大きな違いが出てきます。あるいはいけばなは何かしらの環境に合わせてお花を生けます。お祝いの場、不祝儀、洋風、和風、いけばな展、例を挙げればきりがありません。その様な中で場所に対する理解をしっかりとできる様に、そういう事についての知識も不可欠です。もちろんいけばなは植物を抜きにして考えることはできませんから、植物に対する理解もなくてはなりません。

つまりいけばなは総合力が不可欠なものであるということであり、これは言い換えると、ありとあらゆる知識や体験を持っている人ほど、魅力的な作品を作り上げることができるということに他ならないのです。

日本の全ての事柄の根幹には「神道」の考え方が根付いているのです

多岐にわたる知識や体験は、お花をいけているだけでは得ることが出来ません。とはいえ、ネットで調べればなんでも答えが見つかるというものでもありませんし、それでは生きた学びを得ることが出来ません。
なので光風流夏季セミナーでは、毎回外部から講師をお招きして、その道の第一人者からお話をお聞きし、自分たちの学びや気づきを得る機会にもなっています。
ちなみに今回は、住吉神社並びに日吉神社宮司の林垂栄さんにお越しいただき、神道について教えていただきました。

日本の神道は、仏教とかキリスト教とかのように ”神教” とは言いません。華道や茶道と同様に「道」がついています。これはすなわち、一般的に言われる宗教とは一線を画すもので、相手への敬意や愛、労りや慈しみというものを学ぶ場としての役割があると私は思っています。
その様な中で、日本の一番根っこにある八百万(やおよろず)という考え方を学ぶのは、世界に例を見ない日本独自文化であるいけばなを正しく理解するために不可欠な機会だったと思います。

これからも、もっともっと良いものを提供できるように頑張ります

夏季セミナーを受講された皆さんの真剣な眼差しを見ながら、これからも、もっともっと皆さんに良いものをたくさんご提供させて戴かないといけないなぁと改めて思う機会にもなりました。
「来年も受講します」という嬉しいお声をいただきましたし、こういうお声こそが「もっと頑張らなければ」と思える大きな原動力になっているのは間違いありません。

先週末お越しくださいました皆様、本当にありがとうございました。そしてこれからも益々良いものをご提供させていただくことができる様に頑張ります!

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。