人は理論に頼りがちですが、理論で説明が出来る事は世の中の一部分であり、人の行動のキッカケも理論ではなく思い付きなのです
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
昨日は光風流本部いけばな教室のお稽古部だったのですが、お稽古にお越しになられた方とお稽古の後にお話をしていて、理論と実践という話題になりました。
今日はそんな中で思ったことについて、ブログを書きたいと思います。
いけばなのお稽古は「型」から学び初めます
いけばなのお稽古は「型」からスタートしますが、それにはちゃんとした理由があります。それは「自由にしてご覧」って言われたら困るからです。
これまでにお花を生けるという事をしたことの無い人が、「とりあえず生けてご覧」って言われたら困りますよね。だって道具の使い方もお花を生ける事も、なにをどうしたら良いのかすら分からないのですから。
なので最初は、基本的な寸法や構成という「型」をまず教わった方が、安心だし分かりやすいですよね。
そしてこの「型」を学ぶ時に出てくる寸法や構成というものこそが、「基本」という事が出来ますし「理論」と言い換えることが出来るのです。
いけばなには「基本」「変化」「応用」があり、変化や応用の動機は思い付きである
そんな一番最初に学ぶ「型」ですが、いけばなは「型」だけを学ぶものなのかというと、そうではありません。「基本」を学んだ後には、自分なりの創意工夫を加えるようになります。そしてこの創意工夫を加える段階の事を「変化」「応用」と言い換えることが出来ます。
ちなみにこの「変化」「応用」する段階になると、理論が通用しなくなる場面が往々にして出てきます。だって「この変化はどんな理論に基づいて行おうと思ったのですか?」と聞かれた時に、理論ではなく感覚的直観的に行なった場合もあるからです。
つまり何かを生み出す動機は理論ではなく「思い付き」がまずそこにあり、その生みだしたモノや行なったことを説明するために理論が必要になるという事なのです。
「理論」は、後付けでしかない
人の行動のキッカケは、思い付きです。そしてその思い付きを正当化したり説明するために、理論武装するのです。
例えば焼きそばを作ったとします。そしてその理由を「冷蔵庫に食材があったから」だったとしましょう。これ一見すると、冷蔵庫に食材があったという理論を根拠にしていますが、それはこじつけです。だって焼きそばに用いる具材を使って、焼きそば以外のメニューを作ることもできるのですから。
つまり「焼きそばにしたい」「焼きそばが食べたい」「焼きそばが好き」という様な、思いがまず最初にあり、その行動を裏付けたり正当化するために、食材があったからという理論を持ち出しているのです。
理論で全てが解明できるわけではない
いけばな作品で、初歩の生け方は理論で説明が出来ますが、変化応用された作品は、理論で説明が出来ないものがいっぱいあります。
そしてこれは世の中も同じ事だと思います。世の中には理論で説明のつかないことがいっぱいあります。この地球上で起こっている事の中で、理論では説明できない事だらけです。けれど世の中は動き進んでいっているのです。
そしてもう1つ付け加えると、理論に頼りすぎると理論の迷路に入ってしまったり、理論的に自己矛盾を生じてしまったりする場合もあります。
理論は大切です。がしかし理論を正義としてしまうと、何も新しいものを生み出すことが出来なくなったり、新しい行動を起こす事が出来なくなってしまうようになります。
思い付きと理論をうまく使ってゆく事が大切だと、改めて思う機会になりました。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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