生活を楽しむとは、日常の中でひと手間を加えて季節感や特別感を満喫するということです
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日は朝から光風流本部いけばな教室で講習会を開催しました。この時期ならではの ”水物” や ”新緑” の素材でお稽古を行なったのですが、そんな中でふと思ったのです。「お花をしている方って日常を楽しむということを知らず知らずに習得し、豊かな人生を過ごされている人が多いなぁ」って。
「先取り」や「旬」を楽しむ
いけばなは植物を素材にして行ないます。そしてその季節ならではの植物を先取りしてお稽古を行なっているのですが、この「先取り」って、人生を豊かにするにはとても大切な事だと私は思います。
たとえば桜のシーズンに先駆けて桜を生ける。五月の子供の日に先駆けて花菖蒲を生ける。シーズンに先駆けているからこそ「いいなぁ」と思いながら愛で、もうすぐやってくるそのシーズンをワクワクしながら楽しみにすることができるのです。
食べ物もそうですよね。この季節は「タケノコ」が旬の食べ物ですが、タケノコのシーズンに先駆けて食し、特にシーズンの一番最初にいただくときには、贅沢な気持ちになることができますよね
「初物を食べると75日長生きする」という言葉がありますが、その価値があるくらいの幸福感を味わえていると思います。
季節を楽しむ
ところで皆さんは、生活の中で季節を楽しまれていますか。
生活の中で季節を楽しむっていうのは、冬には寒い、夏には暑いって不平不満を言うのではなく、その季節ならではの情緒や風物や食べ物などを楽しむということです。
先ほど書いたタケノコも今の季節のものです。保存の技術が進んだので一年中タケノコを食べることができますが、タケノコの刺身とか焼きタケノコとかは採れたての新鮮なタケノコがなければ出来ないので、今の季節ならではの楽しみです。
あるいは5月に入ると京都では納涼川床なども始まります。私は先日、貴船に行ってきたのですが、この時期ですと若鮎を食すこともでき、とても幸せな時間を過ごすことができました。
季節は日々刻々と移り変わっていっています。そしてこれは全ての人に平等に与えられている事でもあります。しかしその季節の移り変わりを感じようとしたり楽しもうとしなければ、なんの変わり映えもしない毎日が一日づつ過ぎてゆくだけの日常になってしまうのです。
季節を楽しむというのは、ひと手間かけることです。
と、こんな風に言うと、必ずできない理由を挙げてこられる方があります。忙しいからできない。子供が小さいからできない。高齢だからできない。お金がないからできない。ええ、出来ない理由はいくらでも挙げることができます。
したくない人は出来ない理由なんか挙げずに、したくない!!嫌い!!!それでいいんだと思います。しかし逆に面白そうだなぁ。。とか、興味ある。。とか感じた方は、出来る方法を探してみてください。
季節を楽しむっていうのは、ひと手間かけることです。
忙しくても窓から外の景色に目をやることはできます。お子さんが小さいからこそ一緒に川に遊びに行ったりもできるのです。高齢になって様々な経験をしているからこそ理解したり感じたりすることがあるのです。お金をかけなくても出来ることはいくらでもあります。日常の中でひと手間を惜しむか楽しむかの違いなのです。
高級な車も贅沢な食事も、毎日乗ったり食べたりしていれば日常です
お部屋に掛けている絵を、夏と冬で架け替える。ソファーのクッションカバーの色や柄を、夏と冬で変える。
季節の旬の食べ物を意識し、家族で食べる機会を持つ。部屋のフレグランスの香りを変える。
なんでもいいんです。ちょっとひと手間加えるだけで、日頃の生活が楽しくなりますし豊かにすることができるのです。
みなさん、夏と冬で着るものを変えられますよね。女性は夏と冬でメイクを変えられますよね。暑いからビール、寒いから熱燗とかお湯割りって飲むものを変えられますよね。それと同じです。
人が羨むリゾートのようなお家に住み始めても、毎日住んでいればただの日常です。1000万する車に乗っていても、毎日乗っていたらただの車です。高級レストランで食事をしていても、いつも行っていたらいつもの食事です。高級だからうきうきワクワクするなんて言うのは最初だけです。
日常をただの退屈なものにするか、うきうきワクワクできるものにするかは、自分自身次第なのです。日頃の生活の中でちょっとひと手間かける、これだけで生活は数倍楽しく豊かなものになりますよ。
今すぐ出来るひと手間、何がありますか。
その思いついたことをスグやって見ることが、生活の中で季節を楽しむ第一歩だと私は思います。
内藤正風PROFILE
-
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
最新の投稿
- ・内藤正風の視点2024.11.21出来る方法探しの思考を基本とすれば、自分自身のテンションが上がるし人生も楽しくなりますよ
- ・内藤正風の視点2024.11.20人生を豊かにしてくれるのは「体験」であり、いけばなもお花を生ける事を通じてどの様な体験を提供させていただく事が出来るかという事が大切なのです
- いけばな作品2024.11.19心を込めて作り上げた ”いけばな展の作品” を「展覧会に行けないから後で写真で見せてね」と言われると、とても残念な気持ちになります
- いけばな展2024.11.18「兵庫県いけばな展(神戸会場)」は本日が最終日となります。つきましては閉場時間が早くなっていますのでご注意ください