いけばなでは”水の扱い”をとても大切に考えます。なぜなら”水”は滞ると死物になってしまうからです。これって「気」や「運」や「学び」も同じことなんです

こんばんは。内藤正風です。

今日はお昼に会合で出かけた以外は、パソコンの前でゴソゴソしています。書類を作成したり、紙の書類を処分したり。。。少し前からペーパーレスを目指して色んな事をしてはいるのですが、全~然なくなりません。(笑)

”いけばな”は「水の扱い」を大切に考えます

”いけばな”では「水」をとても重要なものとして捉えています。なぜならば水がなければ植物が生きられないということに留まらず、地球上に生命の存在すら危うくなってしまうのですから。
そしてそんな「水」は、いつも奇麗なのではなく、澱むと傷んでしまうという性質を持っています。

たとえば「水」は器に汲んで置いておくと、必ず痛みます。それはバケツに汲もうと、コップに汲もうと、お花を生ける壺であろうと水盤であろうと関係ありません。とにかく水を器に汲んでそのまま置いておくと必ず腐ってしまいます。
しかし流水は腐りません。例えば川の水は、水源から海までどんなに長い時間が掛かっても腐る事はありません。(汚れることはありますよ)
すなわち”澱む”ということが1番の問題なのです。

実はコレと同じ現象が起こるのが、「気」や「運」や「学び」なのです。

風水では「気」の流れが大切と考えられています

「気」は、風水などで良く取り上げられるように”流れ”と言う事をとても大切に考えます。
なぜならば、流れが滞ると「良い気」が悪くなってしまうからです。水と同じなんです。

この「気」の流れを滞らせることがないように考えられた有名な例が、香港にある建物「ザ・レパルス・ベイ(The Repulse Bay)」です。

この建物、テレビや写真でご覧になられたことありませんか?

建物の真ん中に穴が開いているでしょう?
これって実は、この斜面には山から海に向かう重要な「気」の流れが有る場所だそうで、その山から流れてきている「気」を建物でふさいでしまって滞らせてしまう事が無いように穴が開けられているのです。
風水では「気」の流れが滞ると悪い事が起こると考えられているので、このような特徴的な建物になっているんですね。

「運」も、人から人へと流れてゆくものです

「運」も同じです。
良い事が立て続けに起こっている時は、もっともっと続くように「良い運」を自分1人で取り込もうとする人がいます。
しかし「運」を自分1人で独り占めしたいと思った瞬間から、「良い運」は集まってこなくなります。
だって水と同じで”流れ”を自分のところでせき止めてしまっていたのでは、次の運は流れてこないですよね。

「気」の流れや「運」の流れは呼吸と同じで、吸いたければまず吐く事が重要です

呼吸を考えてみれば解りやすいと思います。
息を吸いたいと思って吸います。もっともっと吸いたいと思って吸います。もっともっともっと吸いたいと思って吸います。するとどうなります?
吸えば吸うほど、段々吸える息の分量が少なくなっていって、最後には全く息を吸う事が出来なくなっちゃいます。
そして息が吸えなくなると息苦しくなってきちゃうんです。

息を思いっきり吸いたいと思ったら、まずシッカリと吐く事が大切なのです。
息を吸ってばかりと言うのはすなわち、息の流れを滞らせているってことなのです。シッカリと息を吐けば、その分だけイッパイ息を吸う事が出来るのです。

「学び」もまずアウトプットする事で、より高いレベルの「学び」が得られる

「学び」も同じです。

光風流で言うならば、多くの皆さんが各地の支部や教室でいけばなをお稽古されています。世の中では、講習会やセミナーで色んな事を勉強されている方が沢山おられます。
そういう皆さんの中には、一生懸命学ぶ事ばかりに意識がいってしまっている方が案外多いように思います。
先に書いた呼吸の例のように、しっかりと吸いたければまずしっかりと吐く事が重要なのです。

すなわち学びと言うのは「インプット」ですよね。しっかりと「インプットしたい(吸いたい)」と思うならば、まずしっかりと「アウトプットする(吐く)」事が重要なのです。

自分が学んだこと周りのお友達に紹介する。あるいはブログやFacebookなどで文字にして書いて皆さんに紹介する。これ全部「アウトプット」です。
こんなことを言うと、高い受講料を払って学んできた知識や技術なんだから自分だけのものにしておきたいって思割れる方もおられると思います。
わかりますよ。その気持ちすごくわかる。しかし実際には、そんな事をしているから実際に使いこなす事が出来る役立つ学びに結びつかないのです。
そして役立つ学びに結びつける事が出来ないということは、それ以降に来るであろうより高いレベルでの学びや気付きを得ることができないってことなのです。

「いけばな」も「流れ」が一番大切なのです

いけばなも同じです。先生から教わったことを、自分のところで留めてしまっているから、大きな学びに結びつけることが出来ないのです。

先生から教わった事は、どんどん周りのお友達やお弟子さんに紹介することで、良い流れを得る事が出来るようになります。
だって私たちがしている「いけばな」は、先生から生徒さんに伝えていく事で約700年の歴史を積み重ねてきているのです。すなわちリレーのバトンを渡すように、先生から生徒さんにバトンを渡していくという流れの中で歴史を積み重ねると共に発展してきているということなのです。

どんどん”アウトプット”をしないということは、そこで流れが滞ってしまい、「水」でいうと腐ってしまうという事であり、「気」でいうと「悪い気」になってしまうということが、あなたの中で起こってしまっていると言う事なのです。

「流れ」を作ることで、その流れに乗って幸せもやってきます。

「気」も「運」も「学び」も全く同じで、流れるからこそどんどん新しいものが自分のところにやってくるのです。そこで滞ってしまうということは、自分自身の「気」も「運」も「学び」も悪くしてしまう事に他なりません。

私は運が悪いと思っている人、良い事が起こらないなあと思っている人、幸せになりたいと思っている人、自分が欲しいものを取り込むことよりも、まず出す事から行なってみませんか。
入れるよりも出す。インプットよりもアウトプット。溜めるよりも使う。

良い「気」や「運」や「学び」が欲しければ、まずは自ら進んで流れを作るのが一番の近道だと思いますよ。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。