夏季セミナーの特別講座での講演は、「へぇ~」で終わらせるのではなく自分に置き換えて考えると大きな学びや気付きになります
こんにちは、内藤正風です。
先週末は、光風流の夏の風物詩「夏季セミナー」を開催しました。
各地にある光風流の支部において開催している講習会の指導に当たっていただいている講師と准講師の先生方は、土曜日と日曜日の2日間、そして会員の皆様は日曜日というスケジュールです。
そんな夏季セミナーですが、日曜日には特別講座として各界において第一線で活躍されている方に特別講師をお願いして「特別講習」を開催しています。
今年は加西市吹奏楽団常任指揮者の中橋政博さんにご無理をお願いして、ご講演をお願いいたしました。
「へ~」って聞いているだけではなく、置き換えることが大切です
特別講座では、各界の第一線で活躍されている方のお話を聞いていただき、何かを得て頂きたいと私は思って開催しています。
特別講師の経験からのお話、その世界で活躍されているからこそ出てくるお話など、そのお話を聞いていただく事自体にも学びは沢山あります。
しかし本当の意味の学びは「へぇ~」って聞いているだけではなく、自分に置き換えて考えると、本当に意味での気付きになってゆくと思います。
先日の特別講座で例えれば、「楽な演奏は良い演奏ではない」というお話がありました。これなどは私達に置き換えると「楽をしてその場しのぎで作った作品に良い作品はない」とか、「楽にできる企画で行なった事業は良い事業にはならない」という風に言うことが出来るでしょう。
「演奏の練習の時には大きな悪いところから直してゆく」というお話は、「生徒さんの指導をするときには大きな悪いところから直してゆく」と置き換えることが出来るでしょう。
「憧れられる人になる」という事は、「人の顔色をうかがっていたのでは個性も特徴も出てこないので、自分の歩むべき道をシッカリと歩むことこそが憧れられる存在になるための第一歩」でしょうし、「人と個性は違っていて当たり前。良くない所を直し良いところを引き出す。」なんてまさに日頃私たちがしている作品作りそのものでしょう。
「昨日の自分と今日の自分をくらべて、たとえ1mmでも進歩してゆこう。」なんてお話に至っては、そのまま人生訓じゃないですか。
先週末に夏季セミナーを受講してくださった皆様には、こんな風に置き換えて咀嚼して頂くともっと深い意味を感じていただく事が出来るのではないかと思います。
不協和音はものすごく目立つのです
特別講座の中で、70人の団員の皆さんが演奏していて誰かが間違うと全てわかるというお話がありましたが、これなども全くその通りだと思います。
間違える=不協和音という事で、中橋さんにはすごく耳に残るのだと思います。
音楽は門外漢な私がなぜそんなことを言えるのかというと、いけばなの作品やいけばな展がまさにその通りだからです。
いけばなの作品を指導させて頂くときに、私が見ているのは「不協和音」です。その枝や花や葉がそこにあることによって、協調しているのか不協なのかという事です。
なのでそれが通常は良くないとされている手法であっても協調するのであればそのまま放っておきます。しかしながら正しいと言われている事であっても不協和音となるようならば手を加えてゆきます。
いけばな展もまさしく同じことが言えます。
いけばな展において50の作品が展示されていたら、それは吹奏楽の50人の演奏と同じなのです。なので50の作品の中でそのいけばな展において作り上げてゆこうとしている世界観から1つでも外れている作品があったら、私は凄く気になります。
世界は違っても本質は同じ
この度の夏季セミナーの全体テーマは「様式には本質が宿る」だったのですが、中橋様のお話はまさにその事をお伝えくださったと思っています。
その道のプロだからこそ出来ることが有ります。例えば70人の演奏の中で誰が間違っているか聞き分けるのは私にはできません。しかしいけばなの作品やいけばな展に展示されている作品のなかにある不協は見分けることが出来ます。
すなわち行なっている事は、吹奏楽といけばなと全く違う事を行なっていますが、理解が深くなればなるほど本質は同じなんだなと、中橋様と色んなお話をさせて頂く機会が増えれば増えるほどお互いにその様に感じています。
この度の特別講座での学びが受講された皆様にとって、これからのお稽古や教室での指導や運営、そして支部の運営に役立つことを切に願っています。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。