いけばな作品を生ける時に意識する3つの視点は、お仕事にもそのまま役に立つ教えです
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ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日はお昼間に会議に出席してきたのですが、これまでの伝統やその団体が大切にしてこられていることに目を向けず、自分の思いで突っ走っている方がおられて、そんな姿を拝見しながら「色々な視点」って事について思う機会になったので、今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。
いけばなの作品を生ける時に必要になる ”3つの視点”
いけばなの作品を生ける時に私達は少なくとも3つの視点を意識しながら作品を生けています。
それは”近くを見る視点”、”全体を見る視点”、”俯瞰的(ふかんてき)な視点”の3つです。
これは経験が長いとか短いとか関係なく、ほぼ全ての人が必ず意識をしています。
3つの視点を意識しているという自覚が有るか無いか、あるいは高いレベルで3つの視点を使い分けているか未熟なレベルなのか、そして意識してその視点を持っているか無意識かは関係なくです。
ここまでだけではよくわからない方も多いでしょうから、1つづつ説明をさせていただきます。
近くを見る視点とは?
いけばなの作品を生ける時の「近くを見る視点」とは、例えば”材料を見る目”です。
材料の表裏はどちらか?
今使おうとしているお花が一番きれいに見えるのはどちら向きか?
と言うような事です。
言うなれば ”マクロ” 的に1本のお花や、1枚の葉っぱや、1本の枝を見るという視点です。
全体を見る視点とは?
全体を見る視点とは、作品の全体像を見る視点と言う事です。
作品はどんなバランスの構成になっているのか?
作品のどの場所に、どの花や葉っぱや枝が必要か?
彩りはどうか?
というように、作品全体を見ながらお花や葉っぱや枝を生けて作品を仕上げてゆくために必要な視点と言えます。
つまり作品全体を見ながら、バランスや彩りや構成をまとめて仕上げてゆく視点です。
俯瞰的な視点とは?
俯瞰的な視点とは、広い視野からいけばなの作品を見ると言うような意味になります。
周りの環境(壁の色、天井の高さ、空間の広がりと言うようなもの)を含めて見た時に作品として調和しているか?
お花を飾る場(お祝いの場、法事、パーティー、イベントと言うような事)に相応しい作品となっているか?
と言うように作品の出来不出来だけではなく、いけばな作品がその場や空間に必要とされている役割を果たす事が出来ているかどうかと言う事を判断する目と言う事です。
後ろの壁の色との調和や、空間に対しての作品の大きさ、見られる方の視点、自分の作品を取り巻く環境すべてまでを含めて見る目がそれにあたります。つまり客観的な視点という事も出来るでしょう。
とはいえこの写真までになると、俯瞰にも程があるでしょうけどね。(笑)
いけばなの作品を生ける時に意識する3つの視点って、実はお仕事においても求められているものだと思います。
”近くを見る視点”、”全体を見る視点”、”俯瞰的な視点”の3つって、お花を生ける時だけに必要なものではなく、これって実はお仕事においてもとても重要な事だと思うのです。
この3つの視点をいろんな場面に当てはめて置き換えてみると良いと思います。
一例を挙げるならば。。。
近くを見る視点は、たとえば「自分自身を見る視点」と言う風に置き換える事が出来ると思います。
自分に与えられた職務をしっかりとこなす事が出来ているか?って事とかがそうなりますよね。
全体を見る視点は、たとえば「会社や組織の中での自分を見る視点」と置き換えれますよね。
自分は会社の中でどんな役割を担っているのか、どんな期待をされているのか?って事とかじゃないでしょうか?
俯瞰的な視点は、たとえば「お客様に対して自分がしている事を見る視点」と置き換えられると思います。
自分がしている事は自分や会社の独りよがりではなく、お役様の役に立っているのか?喜んで頂けているのか?ってことです。
どうでしょうか。
いけばな作品を生ける時の3つの視点って、お仕事や日常生活の中で置き換える事でとても役立つものになると思います。
いけばなって、お花を生ける事だけではなく、色んな学びがそこにあるのです。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。