「様式」と「決まりやルール」は全く別物です。そんなお話から今年の光風流夏季セミナーはスタートする予定です

こんにちは、内藤正風です。

今日は朝から天気も良く、とても気持ちの良い時間を過ごしています。

そんな今日の一番大きなミッションは、今週末に開催する「光風流夏季セミナー」の講義案の練り上げです。

夏季セミナーで行なう家元講義の講義案の骨子も肉付けも完全に出来上がっているのですが、もっと分かりやすい表現はないか、もっと濃くすることは出来ないかと、今月に入ってからは練り上げることを続けています。

今年の光風流夏季セミナーのテーマは「様式には本質が宿る」

光風流夏季セミナーでは毎年テーマを設けて開催をしています。
これは、夏季セミナーは毎年夏に開催しておりますので、その年ごとにテーマを設定することによって特徴のある内容にすると共に、今の光風流に必要なことを取り上げ、光風流の皆さんに学んでいただく事が出来る様にするためです。

今年の夏季セミナーにおいて「様式には本質が宿る」というテーマを取り上げたのは、人はついつい目前の事に目を奪われがちになりますが、実は目に見えている事の大半は単なる現象でしかなく本当に大切な部分は隠れており、その大切な部分を知ろうと思ったら見極める思考が必要になるので、その事を知っていただきたいからです。

そして今回のテーマについて学んでいただく事が出来れば、いけばなを通じた大切な学びや日常生活やお仕事において大切なことを見抜くことが出来る様になるという事です。

「様式」と「決まりやルール」は全く別物です

様式というと「決まり」とか「ルール」を思い浮かべる方もあるでしょうが、これらは似て非なるものという事をまず知らなければなりません。
私はルールや決まりは、単に定められている事柄でしかなく、様式は「美」や「本質」が内包されているものだと考えています。
この事については「美」が一番理解しやすいのではないかと思います。

「様式美」という言葉はありますが、「ルール美」とか「決まり美」という言葉はありませんよね。すなわち「様式」にはそこに「美しさ」という事が必ず備わっているという事です。
そして一定の様式が定められているという事は、その様式の中には何かしら後世に伝えたい事柄が含まれているという事であり、それが有意義なものであるからこそ、これまで失われることなく伝承されてきたという事だと思うのです。

様式には先人からのメッセージが隠されている

この様にして考えると、「様式」とは単なる決まりやルールなどとは違い、人として、そして世の中の根幹にかかわる、いうなれば真理として後世に伝えてゆかなければならないメッセージが含まれていると思うのです。
すなわち様式とは、時代を超えて先人から後世の人間へ伝えなければならない事を内包した、いうなればボトルメールみたいなものなのです。

というような感じで今週末の夏季セミナーでは、こんな内容から始まって家元講義を行なおうと思っています。
お越しになられる皆さん、どうぞお楽しみになさってくださいね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。