過去は懐かしむものではなく、歴史は繰り返すという言葉があるように未来に役立てるものです

こんにちは、内藤正風です。

今日は、光風流総会と光風忌を無事に終えることが出来ました。今年は久しぶりに会食もありで開催することが出来、良かったなぁと思っています。
黙食で”シーーーーン”とした中ではありましたが。(笑)

過去を振り返っているのではありません

光風忌や総会を行なったと言うと、光風忌では亡くなられた方を懐かしみ、総会では昨年行なったことを懐かしむように、過去を振り返り懐かしんでいると思われる方もおられるかもしれませんが、そうではありません。
実は未来を考えているのです。

すなわち光風忌では、これまでに光風流を支えてくださった先生方がどんな未来を描くと共にどんな未来に進もうとしていたのかを考え、総会では昨年行なった事業からの気付きや学びを今年にどのように生かすと共にどんな歩みを進めてゆくのが良いのかを考える機会として開催しています。

なので、この2つの事業はどちらも未来を考える機会なので、同日に開催しているのです。

過去を懐かしむという事は、精神的な現役ではなくなっている

私は、お仕事においても趣味でも家庭でも、過去を懐かしむようになると、その時点で精神的な現役ではなくなっていると思っています。

これは簡単な論理で、明日楽しみで仕方がない事が予定されていたらこれまでの事を懐かしんだりしませんよね。逆に心配で仕方がない事がある場合にもこれまでの事を懐かしんだりしませんよね。
なのでこれまでの事を懐かしむようになったり、昔は良かった。。。とか昔はこうだった。。。なんてことを言う様になったという事は、意識の中心が今や未来には向かなくなっており、意識の軸足が過去に行ってしまっているという事にほかならないのです。

過去は懐かしむものではなく、ヒントやアイデアを導き出す土台です

とはいえ昔のことが無意味なのかと言うと、決してそんなことはありません。

というのも私は、未来に向けてこれからどうしたらいいのかという事を考えるときには昔の事をヒントにしていますし、困った事が起こった時にも昔の事を紐解いて解決の糸口やヒントにしています。
ただここで付け加えておきたいのは、昔の事といっても自分の経験という範囲だけではなく、例えばいけばなに関する事でしたら光風流の歴史やいけばながこれまでたどってきた歴史なども含めて参考にしながら色んな事を考え判断しています。

歴史は螺旋しながら繰り返す

これまでの事からヒントを得、アイデアの元にするといってもわかりにくいかもしれませんね。なのでもう少しかみ砕いて説明すると、この考え方の原点は、歴史は繰り返すという点にあります。

戦争でいうならば第1次世界大戦があり第2次世界大戦がありました。世界的に流行した病気で言うと天然痘がありペストがありスペイン風邪がありました。ファッションでいうならばミニスカートが1960年代に流行りバブルのころにも流行り、そして今年の夏にはまた流行すると言われています。
なので、初めて起こっているように思うような事柄も歴史を紐解いてみると、実は以前にすでに起こっていたというようなことは珍しくないという事なのです。

但しここで間違えてはいけないのは、歴史は繰り返すといっても円をなぞるように完全に元に戻っているのではなく、一見すると元に戻っているようでも実は螺旋を描くようにして少しずつ違うところに行っているという事です。
これはミニスカートなんてとてもよく分かりやすいと思います。
膝上20cmとかっていう様にスカート丈は短くなっていますが、60年代のミニスカートの写真と、バブルのころのミニスカートの写真を並べると全くその感覚は違うものになっていますよね。
すなわちミニスカートというものはグルっと回ってまた流行っていますが、その流行り方が全く違っているという事であり、これが円をなぞるように元に戻るのではなく、螺旋を描いているという事なのです。

歴史を紐解き、分析し、そして今の時代に置き換えるとどうなるかを考えることで、未来を考えるときや困った時のヒントになると私は考えています。
過去は懐かしむものではなく、未来に役立てるものなのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。