何かを学び習得し上達したいときには、「一芸は身を助け、一芸は万芸に通じ、多芸は無芸となる」を心がけるのが秘訣です

こんにちは、内藤正風です。

今日は、明日と明後日に開催する「お題講習会」の準備などが盛りだくさんの上に、夜まで予定がいっぱいなので、Blogアップもサクサクっとやっちゃいますよ~。

お題講習会の会場準備もそれなりに進んでます。。。って、これは進んでいるとは言わないですか。頑張ります!!(笑)

「一芸は身を助ける」って聞かれたことありますか

「一芸は身を助ける」という言葉を聞かれたことはありますか?
ちなみに似た言葉で、世阿弥は「一芸は万芸に通じる」と言い、宮本武蔵は「一道は万芸に通じる」と言う言葉を残しています。

この言葉の意味は、「一つの芸や道を究(きわ)めてゆけば、他の事にも通じるものである」と言う事です。

たとえば宮本武蔵は剣豪として有名なだけではなく、「五倫の書」や「枯木鳴鵙図(こぼくめいげきず)」など沢山の優れた書画を残しています。

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「枯木鳴鵙図」

世阿弥はとても沢山の能楽論を書き残しました。そのなかでも「風姿花伝」は皆さんもよくご存知の「初心忘るべからず」をはじめとして、日頃の会話で使う言葉も沢山記されています。
そしてこの風姿花伝は単なる能楽論としてではなく、処世術や戦略論として、芸の道に携わる人だけではなく、政治家や企業人などとても多くの人の手引書とされているものでもあります。

このように、ある道で研鑽を積み活躍されている人には、その道だけではなく他の事でも活躍されている方が沢山おられます

身を助ける一芸は、万芸に通じるといわれています

自分を助けてくれるほどの一芸とは、一つの事を深く深く掘り下げ探求したものになります。すなわち如何に本質に近づくかという事です。

深く深く掘り下げて学びを得ていると、そのうちに関連する色々な事柄について学ぶ必要性が出てくるときがやって来ます。
これは砂場で穴を掘っているのを思い浮かべて頂くとわかりやすいと思います。
砂場で深さ5センチの穴を掘っている時には穴の直径はそんなに大きなものではありません。まあ手が入る程度の直径があれば深さ5センチの穴は掘ることが出来ます。しかし深さ50センチの穴を掘ろうとしたらどうでしょう。深さが深くなるほど地面の穴は周りの砂が崩れ落ちて直径が広くなっていくますよね。
深く理解するという事は、関連する広さがおのずと備わってくるという事なのです。

そして面白いのは、この時に自分のレベルが高ければ高いほど、そのレベルに合わせたより高度な理解を得る事が出来ると共に、関連する技術や知識の習得が短期間で行う事が出来るようになるという事です。
これこそが、「一芸は万芸に通じる」と言う事なのです。

一芸は万芸に通じますが、多芸は無芸と言う戒めを忘れてはなりません

一芸は万芸に通じるという事ならば、「じゃあ最初から色んな事をいっぱい学べば、自分の取り組んでいる道の肥やしになるんだ」と思って、色々な事に手を出される方が居られますが、これは単なる時間とお金の浪費にしかなりません。

どういう事かと言うと、一つの道についてある程度のレベルまで到達していない人は、その学び方やお稽古の仕方、創意工夫の仕方がまだまだ未熟です。なのに他の事に手を出したら、初めての方と同じように時間をかけないといけなくなってしまいます。

たとえばサーフィンの上手な人は、スケートボードに初めて乗ってもそれなりに乗れてしまいますしすぐに上達をされます。自転車とマニュアルの車に乗れる人は、バイクに初めて乗っても運転することが出来てしまいます。
一つの事に専念し、ある一定以上のレベルに達している人は、自分の中にその人なりの感性と言うか感覚が培われていますので、一を聞いて十を悟り、その事柄の根本を理解したり活用する事が出来るようになるのです。

一芸に秀でると言うことは、多芸に通じていくと言うことです。
そして多芸は無芸と言うのは、中核となる一つの事がある程度以上のレベルになり、その領域に達していなければ、他にしている色々な事が、全て理解の浅~いものになってしまうという事なのです。

自分にとってメインとなるもの(一芸)にしっかりと軸足を置き、あれもこれもと欲張るのではなく、一芸を突き詰める事こそが、一芸の習得と言う成果から万芸(多芸)に広がりが出来、その習得にも繋げる事が出来るのです。
「一芸は身を助ける。一芸は万芸に通ず。多芸は無芸。」とても意味深長な言葉です。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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