「Clubhouse」を使ってみて気づいた、便利は価値ではなく「らしさ」を失う事であり「不便の中にこそ価値がある」ということ

こんにちは、内藤正風です。

昨日、片付けをしていて、来客があった時に鳴って分かるようにしているアラームの機械を落下させて壊してしまい、「ガァ~~~~ん。。。」ってなりました。まぁけれど5秒後には新しいのを手配して、先ほど届いたので設置も完了して何事もなかったかのように日常に戻っています。
Amazonさんは凄いですね。

”複雑で解らない”だけではなく、”単純すぎて解らない”という事もあるという事を知った日

この10日間くらい、日本で話題になっているものの1つに「Clubhouse(クラブハウス)」というアプリがあります。
これだけ話題になっていますので、目や耳にされた方もおられるでしょうし、すでに使われている方も多い事と思います。

「Clubhouse」は音声によるSNSで、私も使い始めてそろそろ1週間近くになってくるかと思います。
初めてのモノは”とにかく分からない”がスタートになりますので、とにかく使ってみるしかなく、皆目わけわからないという状態から最近になって何となく匂いがしてき始めたかな~くらいの状態になってきました。

そんな状態の私ですが、いつもと違うわけのわからなさ加減を感じていたので「なんでなんだろう。。」と考えていたのですが、今日1つの結論が出ました。
それは、複雑なものに慣れ過ぎていて単純すぎて分からなくなっていたという事です。

ネットで世の中便利になり、便利になりすぎて感覚がマヒしているのでは。。

SNSと呼ばれるものって今とても沢山あります。
古くはミクシィから始まり、Facebook、Twitter、Instagram、TikTokなどなど、全てを使いこなすなんて到底不可能なくらい色々なものがあります。

そんなすべてのSNSに共通していたのは、色々な新しい機能がついていて新しい楽しみ方を創造することが出来るようになっていたという事です。
考え方としては、「○○機能があるからそれを活かして○○したら面白いん違う?」って感じです。

しかしこの「Clubhouse」は、機能がものすごく限定されています。
?限定されているという表現はちょっと違うのかな。。。必要最小限の機能しか備わっていないんです。

こんな機能があったら便利とか、この機能があったら相手に対して優しいというような類いの、付加価値的なものがほぼないんです。
一例を挙げるならば、相手に対して文字でコメントを送る機能なんてありません。これまでのSNSだと絶対にあった機能ですが、この「Clubhouse」には無いのです。

あっ、機能が無いからダメってことを言いたいのではありません。そうではなくて、無いのもありなんだという事を改めて感じることが出来る機会になり、自分自身が便利に慣れ過ぎてしまって感覚がマヒしてしまっていたことに気付くことが出来ました。

便利になる事で「らしさ」が失われている

そう思って考えると、便利になる事で失われているものって沢山ありますよね。

たとえばお正月らしさなんて如実だと思います。
私が子供の頃にはお正月にはお店も全てしまっているので、正月の間はお家でいるのが普通でしたので、非日常を感じていましたが、今では正月1日からスーパーなども開いていて普通に買い物もできるので、お正月の特別感て感じなくなくなってしまっています。

大晦日も正月1日も日常と変わらなく世の中が動いているというのは、とても便利な事です。
しかしその便利さと引き換えに、「らしさ」や「特別感」というものは確実に失われているのです。

SNSも同じだと思います。みんなが希望する便利な機能をドンドン盛り込んで行ったら、ほかのSNSとの差って無くなっていっちゃいますよね。
この差こそがそれぞれのSNSが持つ特徴でしょうし、すなわちそれが「らしさ」になるのです。

不便をいかに盛り込むか

以前に何かの本で、通路で夜に転倒される方が無くなるように照明を明るくしたら転倒される方の数が増えて、逆に元の明るさに戻したら転倒される方が無くなったというお話を読んだことがあります。
通路を明るく照らすことによって、そこを通る人の心理として安全だと思って注意を怠ってしまうんですよね。ところが逆にチョットうす暗いくらいだと、注意しないと危ないと思って気を配って歩くので逆に転倒する人が無くなったという話なのです。

言われてみれば「なるほど~」って思いますが、普通に考えたら「暗いと危ない」→「明るくすることによって事故が減る」という考え方になっちゃいますよね。

不便というと悪い事のように思いがちですが、不便だからこそ注意を払ったり、不便だからこそ特別感が生れたりするように、不便という事をどのように盛り込むかという事が、便利が普通になったこれからの時代のキーワードになってゆくんだなぁと思うきっかけになりました。

便利から生み出される世界に価値は無く、不便の中にこそ価値があるという事ですね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。