明日は彼岸の入りです。お彼岸と言えば「ぼた餅」ですね。ところで「ぼた餅」と「おはぎ」は同じ ”あんこ餅” なのに何故呼び名が違うのかご存知ですか
こんばんは、内藤正風です。
明日から「彼岸（ひがん）」ですね。
今年のお彼岸は、明日３月１７日（火）が彼岸の入りで、３月２０日（金）が彼岸の中日、３月２３日（月）が彼岸の明けになります。
「ぼた餅」と「おはぎ」
お彼岸に欠かせないものの一つとして「ぼた餅」があります。
粒あん派とこし餡派と好みの分かれる所ではあると思いますが、どちらにしろチョットぼた餅を摘まみながら飲む、お茶やコーヒーが美味しいんですよね！
ところでこの「ぼた餅」って「おはぎ」と同じ物なのに呼び名が違いますよね。
「彼岸」は春と秋にあり、どちらの彼岸においても仏様にお供えする同じ品物なのになぜ呼び名が違うのか。。。。。
実はこれって、日本人の「粋」と「洒落っ気」が大きくかかわっているのです。
「ぼた餅」とは「牡丹餅」と書きます
牡丹の花が咲くころに、牡丹の花に見立てて作られたものでこの名前で呼ばれているのです。
ただの餡子餅を牡丹の花に見立てていただなんて、ムッチャ粋ですよね。
けれど牡丹の花に見立てるだなんて、昔の「ぼた餅」ってどれほど大きかったんでしょうね。
「おはぎ」とは「御萩」と書きます
餡子に使われている小豆のツブツブの様子を萩の花に見立ててこの様に呼ぶのですが、お花に例えるっていうのがお洒落ですよね。
ところで気づきました？「おはぎ」はこの呼び名からも分かるように、粒あんで作らないと「おはぎ」とは呼べなくなっちゃうんです。
この餡子の”粒あん”と”こし餡”の違いですが、一説には秋は小豆を収穫してすぐに使うので、皮も柔らかいのでそのまま餡子にして粒あん、春は冬を越して保存していた小豆を使うので、皮も固くなっているのでこし餡にするという話を聞いたことがあります。
呼び名が季節によって変わる。。。では夏と冬は？
春は「牡丹餅」、秋は「御萩」、つまり同じ品物ですが季節で呼び名が変わるんですね。
そうなると、じゃあ夏と冬はどうなるの？って思いませんか。
実は夏の呼び名と冬の呼び名もあるのです
夏は「夜船」と言います。
牡丹餅は”餅”と言う名前がついていますが、お餅の様に杵と臼でペッタンペッタンとつかないで作ります。
ペッタンペッタンと音がしないので、近所の人が「いつついたのかわからない」ということから→「つき知らず」→「着き知らず」となって、夜は暗くていつ船が着いたのかわからないと言う事から「夜船」と言います。
まあ、かなりの駄洒落と言うか言葉遊びです。（笑）
冬は「北窓」と呼びます。
夏と同じく近所の人が「いつついたかわからない」と言う事から→「つき知らず」→「月知らず」となって、月を知らないと言うのは月が見えないと言う事になるので、月が見えないのは北側の窓と言う事で「北窓」と言います。
これもおもいっきり言葉遊びです。
ばんざ～い！ばんざ～い！！って、山田く～～ん座布団３枚持ってきて～！って感じです。
けれど単に餡子餅（あんこもち）とは言わずに、季節感や言葉遊びで名づける日本人の粋というか洒落っ気は、私は大好きです。
今年のお彼岸は、こんなうんちくをネタにしながら餡子餅を食べてみませんか。
内藤正風PROFILE
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平成５年（1993年）、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
