新しい時代を作るのはいつも若い世代です。しかしだからといって若けりゃなんでも良いのではなく、私たちも若い人から色んな事を学ぶことが大切だと思います

こんばんは、内藤正風です。

先日、久しぶりにマックスブログ塾の聴講に行ってきました。

久しぶりと言っても、壁下塾長とは時々会ってご飯食べたりしていましたので久しぶり感は無いのですが、マックスブログ塾の開催自体が暫くなかったので、楽しみにして行ってきました。

「いけばな」は、お花を生けて飾ってさえいれば良いものではありません

私がしている「いけばな」は、総合力が必要なものだと思っています。

例えばこれまで”いけばな”が歴史を積み重ねてきた環境の中心は「床の間」でした。
この「床の間」は、床という空間に"掛け軸"が掛けられ、"床飾り"がなされて成立するものであり、その季節や催事に合わせて無限に変化してゆく環境になります。
そんな無限に変化する環境に合わせてお花を生けて飾る「いけばな」は、お花を生ける事だけではなく、掛け軸のことや床飾りのこと、四季や催事についてなど、あらゆる事に通じていなければなりませんでした。
すなわちお花を生けるためには「総合力」が必要とされたのです。

広い世界を見ないと取り残されてしまう

いま世の中はどんどん移り変わっています。
床の間は目にすることも少なくなり、畳の部屋も減り、住宅環境だけではなく人々の価値観や生活スタイルも以前とは全く変わってきています。
"第4次産業革命"という言葉を、あちらこちらで目や耳にするようになり、時代の激変の真っ只中に私たちはいます。

そんな中で私は「いけばな」が次代へ生き残っていくためには、広い世界を見なければならないと思っています。
それはなぜならば、「いけばな」は皆さんの生活とともに存在しているのであって、世の移り変わりと無関係なものではないからです。

時代を作るのは、いつも若い世代です。しかしだからといって若けりゃなんでも良いのではないと思います

私は、新しい時代を作るのは若い世代だと思っています。

例えば日本で最古の政治改革であり国を巻き込んだ戦いであった"大化の改新"は、中臣鎌足(なかとみのかまたり)や皇子である中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)、大海人皇子(おおあまのおうじ)などの若い世代を中心として行なわれたものですし、"明治維新"も若い世代が中心となって行なわれたものだということは皆さんよくご存知の通りだと思います。

ただしここで勘違いしていただきたくないのは、とにかく若けりゃなんでも良いということではありません。
二言目には「若い人たちに任せて」とかおっしゃられる方がありますが、そういう発言は無責任極まりないと私は思っています。

時代という砥石に磨かれて未来は作り出されていくのです

新しい時代は新しい感覚によるものであることは間違いありません。そんな新しい感覚による時代は若い世代がこれから作り上げていくものであるのも間違いのない事です。

しかしここで忘れてならないのは、「時代」というものはとても冷たい存在で、砥石のようなものだと私は思っています。

新しい感覚で色々なものが生まれ作り出されます。
しかしそういうものが全て次の時代に残ってゆくのかというと、ほぼ大半が消えてなくなります。
なぜならそれは、時代という砥石で磨かれて、見た目だけのものや、自己満足のもの、世の中の役に立たないようなものはどんどん淘汰されていってしまうからです。

時代を担う若い人から学ぶ事はとても多い

私は色々な世代の方や、色々な世界の方と交流をして、色んなことを学びたいと思っています。
そして未来という事に限っていうならば、若い世代の皆さんから色んな事を教わりたいと思っています。
だって新しい事は若い世代の皆さんの方が明らかに優れていますもん。年が上だから偉いだなんて考えは、全く意味がない事だと思います。

しかし若い人から学ぶっていっても、講義を受けるように「今の若い人はね、こんな感性で。。。」なんて教わっても全く理解できないし身につかないと思います。
やっぱりその中に入ってドップリと浸かり、肌で感覚で匂いで感じることこそが重要だと思うのです。

私も50を超えて60まであと少しとなって、完全なオッサンです。見ようによっちゃおじいさんって言われても仕方ない歳です。(笑)
だからこそこれからは、若い人の中にドップリと浸かる事を常に意識したいなぁと思っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。