新しい時代のヒントは日本の歩んできた歴史の中にこそあるという事を改めて意識する機会になった「光風流いけばな展」

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

先週末に開催した「光風流いけばな展」では、とても沢山の気付きや学び、そしてデータ収集が出来ました。
詳しく書き始めたら超絶長文になってしまうのでここでは控えますが、これらをもとにして、私ども光風流の新しい時代に向けた改革と改善を強力に推し進める事が出来るのは間違いありません。

そんな中、光風流いけばな展ではとても沢山の方がお越しくださり、多種多様なお話をさせて頂きました。そんな1つに「新しい時代のヒントやアイデアは昔にこそある」というお話もあったので、今日はそんな事についてブログを書きたいと思います。

世の中は常に移り変わり、人の価値観は変化してゆく

いま世の中は大きく変わってきています。
例えば最近の住宅環境において「床の間」が設けられることは極めて少なくなってきました。戦後の日本の高度成長時代やバブルの頃には、公団住宅にまで床の間が設えられるのが一般的でしたので、そのころから比べると「床の間」がなくなって異常な事態だという事が出来るでしょう。

しかしこの判断はもの凄く短期的な中での判断で、正しい判断とは言えないと私は思うのです。というのも、もう少し長い目で見たら全然違う景色が見えてくるからです。
戦後というスパンではなく、戦中戦前にまで目を向けてみてみると、新築されたお家にほぼ100%「床の間」が設えられていたのでしょうか。江戸時代はどうだったでしょう。安土桃山時代、平安時代と遡って行ったらどうでしょう。
これだけ長い時代の中で物事を見てみると、一般のお家に床の間がもれなく設えられていた時代のほうが一過性のものであり特異な時代だったという事が出来てくると思います。

人は自分に都合の良い部分だけを取り上げて、自論の根拠とする場合が多々あります。しかしそれは極めて危険なモノの見方でしかなく、昔を根拠にするのならば、古の昔からの日本を見つめ参考にするべきではないかと思うのです。

これからの有り方のヒントは「昔」にある

日本は建国以来2683年の歴史を積み重ねてきています。そんな中で積み重ねてこられた歴史は、時代によってその手法は違っていても本質は変わっていない様に私は感じています。

ただ一時期だけ特異な例があります。それは高度成長時代やバブルの時代です。よく高度成長時代やバブルの頃の事を引き合いに出される方(特に高齢者)が有りますが、これらは特例です。それはなぜならば、高度成長時代は無から有を作り出した時代であり、戦後の焼け野原からの復興です。何もない所に物を作っていったのですから、右肩上がりの成長は当然の事です。そしてバブルの頃は、夢を見て間違った価値観にみんなが踊らされていた時代です。

いま世の中は、日本人が本来持つ正しい価値観に基づく世の中に戻りつつあるのだと思います。
ここは日本です。日本人による国なのです。という事は日本人がこれまでに積み重ねてきた歴史にこそ、これからのヒントやアイデアがあるのは当然だと思うのです。

そんな事を改めて意識する機会にもなりました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。