いけばなデモンストレーションを副家元が行うようにした理由、そのキーワードは”未来への可能性の扉”です

こんばんは。内藤正風です。

今日は、現在 ”後期” を開催中の「日本いけばな芸術展」の特設会場にて、「いけばなデモンストレーション」を行いました。
って言っても私ではなく、副家元の内藤貴風が行いました。

 

えっ?私が楽したいから副家元に押し付けたんだろうって??(笑)
ええ、そうだったらムッチャ面白いのですが、残念ながら違います。

色んな体験や経験は、若い時からしておいたほうが良い

私は色んな体験や経験は若い時からしておいたほうが良いと思っていますし、沢山しておいたほうが良いと思っています。
副家元はもう28歳です。まだ28と言えばまだでしょうが、もうと言えばそういう年だと思います。そんな中、色んな事を知っていたり経験していたりするのに若すぎるということは無いと思うのです。
光風流においては「副家元」というのは「次期家元」と同じ意味になります。すなわち次の家元として経験は豊富な方が「家元」を継承した時には絶対に有利ですよね。

私の目は「家元継承」に向いています。いや、今すぐにするという事ではありませんが、必ずその時が来るという事です。
そしてそれは私が元気で生きている間に行うと決めています。
その理由はたった一つ、私自身が先代家元が元気な間に家元を継承したからです。そして先代家元が元気な間に家元を継承して本当に良かったなと感じているからです。

その立場にならないと分からないことがある

家元って言うと分かりにくいかもしれませんので、社長でもいいです。世帯主でもいいです。グループのリーダーでもいいです。
1つの組織においてその立場にならないと分からないことって沢山あります。

私どもで言うならば、副家元を何十年していようとも家元にならないと分からないことや経験できないこともあるという事なのです。
なので早い目に家元を継承する事で、家元の立場になって色んな事を見たり聞いたり経験する事が大切だと思っています。
そしてそんな中で、自分が家元になって色んな場面に遭遇して、困った場面が出てきたときに、一番心強い相談相手は先代なのです。

実地に体験しながら学ぶ事が出来る。これこそが一番の学びだと思うのです。

時代を作っているのはいつも若い世代です

私にはもう一つ早い目の家元継承が良いと思っている理由があります。
それは、世の中の進歩のスピードが速く移り変りが大きい時代の中で、流派を生き残らせるだけではなく発展させていこうと思うならば、若く柔軟な視点や思考が無ければムリな時代になっていると思うからです。

10年前には考えられなかった世の中になっています。
スマホの普及で、世の中の価値観や生活環境まで丸っきり別物になっているのです。
ホテルや飲食店などはネットで予約した方が安かったりします。
お年寄りの方にとって日本酒やワイン、お水やお茶の様な重量物は買って持って帰るのが大変です。ところが今やアマゾンとかで注文すれば、翌日には自宅の玄関まで配達してもらう事が出来ます。
SNSの投稿をみて、旅行に行く場所を決めたりご飯を食べに行くお店を決めたりしている人が沢山います。
こんな世の中10年前に想像できていました???(笑)

そんな中で、今から10年後にどうなっているのかなんてマルッきり想像もつかないです。
ただそんな中で1つハッキリ言えるのは、世の中の新しい流れや新しい価値観を作っていくのは若い人たちだってことです。お年寄りじゃない。。。

人々の価値観は世の移り変りと共にどんどん移り変わってゆく。だから”いけばな”も変化することを恐れてはいけない

”いけばな”は、生活の中に存在し役立ててゆくものです。これは今までもこれからも変わらない。
しかしどんな風に役立ててゆくのか、どんな生活環境になっていくのかという事は、ドンドン変化してゆくのです。なぜなら世の中がどんどん移り変わってゆくから。

私自身、SNSの流行りの移り変りとかを見ていると、最近の物などよくわかんないです。昔なら「あつ、これこんな風にしたら面白く遊べそうやん」とかって思ってましたが、今やついていくだけでも精一杯です(笑)
もしかしたら、ついていく事出来ていないかな。。。(苦笑)

人には寿命があります。だからこそ強制的に代替わりが行われ変化してゆくことが出来る。強制的に。
変化するからこそ生き残る事が出来る可能性が生まれる。それを忘れてはいけないのです。
だって、中華の統一を最初に成し遂げた秦の始皇帝は、晩年に不老不死なんぞを求めたから正常な代替わりをする事が出来ずに一代で滅んでしまったのです。歴史こそお手本です。

 

そんな事を思って、副家元がデモンストレーションを担当するようにしたのです。
うん、なんか固い話になってスミマセン。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。