光風流60周年を来年迎えるにあたって考えた、”還暦はなぜおめでたいのか” そして ”なぜ赤いちゃんちゃんこを着るのか” という事

こんにちは。内藤正風です。

今日は梅雨の晴れ間なので、お昼の用事から帰ってきて光風流本部いけばな教室の駐車場や周辺などに除草剤を撒いたり、光風リゾートの庭木の剪定を軽くしたりと小1時間ほどゴソゴソしただけでパンツまで汗ビショになっちゃいました。
やっぱり夏なんですよね。

光風流は来年、創流60周年を迎えます

私ども光風流は来年創流60周年を迎えます。60周年という事は、人間でいえば還暦(かんれき)にあたります。
還暦には赤い服を着てお祝いをしますが、そもそもこの還暦ってなんでおめでたいのか考えられたことってありますか?

昔からの謂れや風習?昔は寿命が短かったので長生きのお祝い?
いやいや実はちゃんと理由があるのです。

還暦とは生まれた年の干支(えと)が1周したことを指す言葉で、数え年の61歳のことをいいます。

干支と十二支はべつものです

干支が1周したら数え年61ってどういう事?12歳じゃないの??って思われた方はこれから説明しますね。

よく会話の中で「干支はなに?」と聞かれて「丑年生まれ」とかって答えるような場面がありますが、これって実は正しくないんです。
すなわち「干支」とは「十二支(じゅうにし)」の事ではないのです。

十二支と十干と干支

「十二支」とは、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥のことをいいます。そして「干支」はこの「十二支」と「十干(じっかん)」が組み合わさったもので、「十干」とは甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類の事を言います。

たとえば”丙午(ひのえうま)の女性は気性が激しい”という迷信に出てくる「丙午」、戊辰戦争(ぼしんせんそう)の「戊辰(つちのえたつ)」、阪神甲子園球場の「甲子(きのえね)」などは全て干支にちなんだ迷信や命名なんですね。

こんな風に「十二支」と「十干」が組み合わさって出来た60通りの組み合わせ(12と10の最小公倍数ってことですね)の事を「干支」と言い、この60年を1周して自分が生まれた干支に戻ることを「本卦還り」というのです。

数え年では生まれた瞬間に1歳

日本は古来、数え年という年齢の数え方をしていました。今の様に満年齢で言うようになったのは第二次大戦後ですから、日本の歴史の中でいうならばつい最近の事なんですよね。

数え年で年齢を数える方法は、生まれたら1歳でその後は誕生日ごとに1歳づつ増えていくという考え方だったんです。
いうなれば始まりは「0」という考え方ではなく、始まりは「1」という考え方ですね。なので今でも妊娠の月の数え方は0カ月は無く1カ月から始まります。

という事で数え年では61歳で干支が一巡するってことなんですね。

還暦にはなぜ赤いちゃんちゃんこを着るのか

さて最後に、還暦にはなぜ赤いちゃんちゃんこを着るのかというのかという事ですが、これには2つの理由があるようです。

まず1つ目は、干支が一巡するということを「赤ちゃんに戻る」という風に表現したという事です。
誰ですか、歳が行くとボケてくるので赤ちゃんみたいになるってこと?って思っているのは。。
そうではないですよ!(笑)

2つ目の理由は、赤は魔除けの力があると考えられているという事です。
神社の建物とか鳥居って赤色が多いですよね。これって魔除けや結界っていう意味もあるのです。これからも長生きします様にっていう願いでもあるのですね。

そういえば先日、今年還暦を迎える先輩方に還暦のお祝いに赤いパンツをお送りいたしました。

赤ちゃんに戻るというか、普段からいつでも赤ちゃんに戻れる。。。赤ちゃんになれる??(笑)方たちばかりですし、魔除けなんて無くても魔が避けて通るであろう勢いのある愛すべきパイセンばかりなんですけれどね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。