今日は満月ですね。日本では古来より月の影響力をとても大きく大切なものだと考えていたのをご存知ですか

こんばんは。内藤正風です。
今日は満月ですね。

って曇ってて、星どころか月も何にも見えへん~~。。
(苦笑)

日本は古来、月の運行を元にした暦を使っていました

日本は元々は月の満ち欠け(運行)を元にしてつくられた暦(こよみ)の「太陰暦(たいいんれき)」を使っていました。
正確にいうならば、季節とのズレが生じるので、その補正のための閏月(うるうづき)などを入れる太陰太陽暦(たいいんたいようれき)なんですけれど、今回は細かい事を言わずザックリと太陰暦って言ってます)

で、この「太陰暦」というのはどういうものかというと、月の満ち欠けの周期を”ひと月”としたもので、全く月が見えない状態(新月)からスタートして満月になり、また何もない状態に戻るまでの一巡を1カ月としていた暦なのです。

地球は月の影響を大きく受けています

いま太陰暦はほとんど使われていません。しかしだからといって月は全く無関係かというとそうではありません。
日常生活のあらゆるところで月の運行は関係しているのです。

潮の満ち引きは月の力により起こっています。月に面しているところが常に満ち潮なのです。
そしてこの満ち潮の時に人は生まれ、引き潮の時に人は亡くなると古来より言われています。
また怪我をした時の出血も満潮時には多いと言われています。
女性の身体は月の影響を大きく受けていると言われています。

”いけばな”においても、月の力ということを学びます。
一例をあげるならば、”いけばな”で素材とする植物には”養い(水揚げ)”が大切なのですが、その養いを施すときに月の満ち欠けや潮の満ち引き等が関係してきますので、暦は必需品になります。

ちなみに光風流のカレンダーには、お花の養いを行なう時にすぐに役立てて頂くことが出来るように、満月と新月が記載されているんですよ。

月と太陽は、地球には無くてはならない存在です

月の運行を元にして作られた暦を「太陰暦」、太陽の運行を元にして作られた暦を「太陽暦」と言うように、古来より太陽は「陽」の存在、月は「陰」の存在と考えられています。
ただここで勘違いして頂きたくないのは、「陽」=良い、「陰」=悪い、という風に捉えられがちですが、決してそうではないという事です。

「陽」と「陰」は表裏一体のものなのです。表と裏、右と左、などと同じで、どちらも必ず存在するしお互いに必要なのです。
「裏」が無ければ「表」は存在しません。「右」がなければ「左」も無いのです。「陽」になりたければ「陰」をしっかりと知らなければ「陽」にはなる事が出来ません。なぜならば”大きな陽”には”大きな陰”を内包しているのですから。
なんか禅問答みたいになってきましたね。(笑)

1つはっきりと言えるのは、日本では昔よりこういう事を生活の中で感じていたからこそ、「月の力」というものを身近に感じるとともに、大きな畏敬を持っていたのでしょうね。

そんな事を改めて思った、月が見えない満月の日でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。