「光風忌」を開催して思った、楽しまなくちゃ人生モッタイナイってこと

こんにちは。内藤正風です。

今日は「光風忌」を行ないました。
って言っても、なんじゃそれ??って話ですよね(笑)

光風忌とは

「光風忌」とは、光風流をこれまで支えて下さった先生方でお亡くなりになられた方を1年に1度お祀りする機会で、流祖内藤光風の命日が4月19日なので、その日にあわせて毎年開催しています。
まあ一般のお家の法事みたいなもんでしょうか。

と言ってもこの光風忌は、ただ単に亡くなられた方をお祀りするだけの催しではありません。
実はもっと大きな意味があるのです。

「忌」という文字が付いていても、過去を懐かしむだけの場ではありません

この「光風忌」では、亡くなられた先生方のお名前を一覧してご覧いただくことが出来るようにしていますので、1年に1度はそういう先生方の事を自然に思い出します。
幼稚園だった私にウイスキーを舐めさせてくれた先生。(あ、昔の事ですよ。もう50年以上も前なので。。。(笑))
正義が服を着て歩いているようだった先生。
いつもお家に行ったら美味しい料理をごちそうしてくれた先生。
愚息の養育係を引き受けて下さった先生。
そこにあるお名前の1つ1つから、懐かしい記憶が思い出されます。

「光風忌」の名の様に”忌”の文字が付いていますから、亡くなった人をお祀りすることという意味はもちろんあります。
しかし私は、だからと言って過去を懐かしんだり振り返ったりするだけの機会にしてはいけないと思っています。

「いけばな」の本文は、教えを学びそして人に伝えること

私たちは流祖の教えを学び、そして理解し、自分が素晴らしいなと思った学びを皆さんにお伝えするという事を行なっています。
いうなれば運動会のリレーと同じです。

”教え”や”学び”は伝えてこそ価値のあるものになります。自分がいくら良いことを学んだり見つけ出したりしていても、それを他の方に伝えることをしなければ、それは存在していないのと同じことです。

たとえば仏教やキリスト教やイスラム教などの教えがどんなに素晴らしいものであっても、自分だけでその教えを独り占めして誰にも伝えなかったらどうなるでしょう。
そんな宗教がある事すら誰にも知られることなくこの世から消えてなくなってしまうのです。
あるいは、素晴らしい数式を発見したとしましょう。その数式を誰にも教えることをしなかったらどうなるでしょう。その数式がある事すら誰も知らない状況になってしまいます、すなわちその数式は存在していないのと同じことなんです。

伝わらなければ、存在しなかったのと同じ結果になってしまう

先輩や自分の師匠が人生の多くの時間をかけて学び会得し伝えて下さったものを、私たちがそのまま放置しておくという事は、先人の行なってこられた事を風化させ、無かったことにしてしまうことに他ならないと私は思っています。

なので私はこの「光風忌」は単に昔を懐かしむ機会ではなく、今ここにいる私たちがこれからの未来を語り合い大いに妄想を膨らませる機会だと思っています。

未来に向けてのスタート

光風流は来年創流60周年を迎えます。
もうすでに記念の事業の計画もスタートしています。いけばな展、祝賀会、旅行、出版など役員の先生方と妄想しまくりです。

たとえば一例をあげると、60年と言えば人間ならば還暦です。還暦と言えば赤いチャンチャンコを着せてもらうって感じでしょうから、記念の祝賀会のドレスコードは「”赤”を身にまとう」とかなんて面白いでしょ。

折角の人生、楽しまなければモッタイナイ!

せっかく先人が積み上げて下さり、その後を引き継いで私たちが歩みを積み重ねた60周年なんですから、思いっきり遊んじゃわないともったいないと思うのです。
嫌々やっても60周年、思いっきり楽しみつくしても60周年、だったら楽しまないともったいないですよね。

そんなことを思った「光風忌」でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。