いけばなを通じて思う、「学ぶ」という事についての4ステップについて

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

明日と明後日は、「お題」講習会を開催します。「お題」というのは、毎年年頭にあたって宮中において歌会始(うたかいはじめ)が開催されるのですが、その時に出される和歌の題の事を言います。
そして光風流では、創流以来このお題をお花で生け表すことを行なっており、この講習会を毎年11月末に開催しているのです。ちなみに、なぜ年頭の歌会始のお題に基づいて生けるお花を11月の末に行うのかというと、12月は皆さん何かとお忙しいので特別な講習を開催してもお越しになりにくいだろうという事で、11月中に行うようになっているのです。

さてそんな中、このお題講習会の会場設営など準備を行ないながら、「学ぶ」と言う事について改めて考える機会になったので、今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。

「学ぶ(学び)」は4つにのステップがある

「学ぶ」という事には、大きく分けると4つのステップがあります。ちなみにここでいう「学ぶ」の4ステップとはいけばなだけの事ではなく、子供も大人も学校でも会社でも全てにおいていう事が出来るものになります。

まず「学ぶ」の4ステップは以下の四つになります。
①教わる
②理解する
③試行錯誤する
④応用する

「学ぶ」のステップ① 「教わる」

「教わる」とは、知らない、わからない、出来ない事について教えを受ける段階です。すなわち、”学ぶ” の語源でもある「真似る」がここでは一番重要になります。
「真似る」とは、教えをうけて見習い同じことを行うという事です。

「学ぶ」のステップ② 「理解する」

教わったことは何度も何度も繰り返す、すなわち「真似る」事によって理解を深めてゆくことが出来ます。つまり「理解する」とは、知識や技術を習得するという事で、「教わる」だけでは習得とは程遠いものになります。教わったという事と出来るという事は全く違う事だという事です。
なのでこのステップでは、繰り返し行うという事が大きなポイントになります。

「学ぶ」のステップ③ 「試行錯誤する」

「理解する」と言うステップに到達すると、多くの人が二つの事に気付きます。それは、
一、学んだ基礎的な事だけでは対応しきれない場合に出会うようになる。
二、学んだことを自分なりに色々試してみたくなる誘惑が起こってくる。
という事です。

この状態にまで成長なさった方は、自分なりに試行錯誤を行なってみたくなって来られます。これはすごくいい事で、自分なりに様々な経験を積む事で、より深い理解へと到達する事ができるようになってきます。

「学ぶ」のステップ④ 「応用する」

試行錯誤をしながら、より深い理解へ到達する事が出来ると、基本から自由になり「応用する」事が出来るようになります。ちなみにここであえて書き加えさせていただきますが、「応用する」とは、何でもかんでも好き勝手に出来るという事とは全く違います。つまり「基本と言う ”核” を中心にして、自由に形を作る事が出来る」と言う事なのです。

即ち、基本という ”核” が大きければ大きいほど、そしてしっかりしていればしっかりしているほど、その応用の度合いは、より大きく自由に出来るようになるという事です。
そしてここまで到達できれば、真の「学び」と言う事が出来ると思います。

学びのステップは「いけばな」だけではなく、全ての事に当てはまります。

この学びについての話は最初にも書きましたように、色々な世界の方とお話をしても共通する事が多いです。ってか、ほぼ共通します。まあ表現の仕方が違ったりはしますが。。。

老若男女問わず、あなた自身、あるいはあなたの周りの方が、このステップのどの段階におられるのかを判断すれば、その「学び」の中で、今行うべきことがよりはっきりすると思います。

 

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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