いけばなのお稽古を通じて感じる「学ぶ」の4ステップについて
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こんばんは。内藤正風です。
今日は朝から晩まで一日中、本部いけばな教室において、12月に開催する「光風流いけばな展」の作品準備のお稽古や、来週開催の「兵庫県いけばな展」に作品を出展する人の作品準備のお稽古や、通常のお稽古を行い、あっと言う間に1日が終わりました。
そんな中、今日お稽古にお越しになられていた方と「学ぶ」と言う事について話しをしました。
「学ぶ」事により進歩してゆく段階について
いけばなを学ばれて生徒さん方が進歩されてゆくのには4つの段階があります
①教わる(真似る)
②理解する
③試行錯誤する
④応用する
「学ぶ」のステップ① 「教わる」
まず一番最初のステップは、知らなかったことや、わからないこと、出来ない事について教えを受ける段階です。すなわち、”学ぶ” の語源でもある「真似る」がここでは一番重要になります。
「真似る」とは教えをうけて見習い同じことを行うという事です。
先生の見本を真似て同じように生ける事を通じて、知識や技術を学んでゆきます。
「学ぶ」のステップ② 「理解する」
ステップ①で学んだ知識や技術を何度も繰り返してお稽古する、すなわち「真似る」事によって、「理解」をしてゆきます。
「教わった」というのは「理解した」とは全く別のことです。「理解する」というのは、知識や技術を習得するという事で、繰り返し行うという事が大きなポイントになります。
「学ぶ」のステップ③ 「試行錯誤する」
学んだことがしっかりと身につき「理解する」事が出来ると、二つの場面に遭遇するようになります。
それは、
一、学んだ基礎的な事だけでは対応しきれない場合に遭遇する。
二、学んだことを自分なりに色々試してみたくなる誘惑。
そして自分なりに試行錯誤を行いながら楽しみを広げ、そう言う経験を繰返し積んでゆくことを通じて、より深い理解へと到達する事ができるようになってきます。
「学ぶ」のステップ④ 「応用する」
ステップ③のように試行錯誤を繰り返す事を通じて一層深い理解へ到達する事が出来ると、基本から自由になり「応用する」事が出来るようになります。
「応用する」とは、何でもかんでも好き勝手に出来るという事とは全く違います。すなわち、基本と言う ”核” を中心にして、自由に形を作る事が出来るようになると言う事です。
即ち、”核” が大きければ大きいほど、しっかりしていればしっかりしているほど、その応用の度合いは、より大きく自由に出来るようになるという事です。
ここまで到達できれば、”真の「学び」を得た” と言う事が出来るのではないかと思います。
学びのステップは「いけばな」だけではなく、全ての事に当てはまります
この学びのステップについては、色々な世界の方とお話をしても共通する事が多いです。ってか、ほぼ共通しています。
まあ表現の仕方が違ったりはしますが。。
自分自身、あるいは周りの方をよく見ていただき、このステップの中のどの段階におられるかを判断して頂ければ、今お稽古の中で行うべきことがはっきりと見えてくるので、指針として役立てて頂く事が出来るのではないかと思います。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。