「花菖蒲」と「菖蒲」は同じものだと思われがちですが、実は全く別な物だってご存知ですか
こんにちは。内藤正風です。
こどもの日が近づいてきて、昨日は「「こどもの日」ってなに?「こどもの日」にはなぜ”花菖蒲”を飾ったり”菖蒲湯”に入るの?」ってブログを書かせて頂きました。
今日はこの”こどもの日”に使う、「花菖蒲」と「菖蒲」の事について取り上げたいと思います。
こどもの日には花菖蒲を生けて飾ったり、菖蒲湯に入ったり、菖蒲酒を飲んだりします。この飾る花菖蒲とお湯やお酒に使う菖蒲は、全く別物だという事をご存知でしょうか。
「花菖蒲」は古来より愛でられている
「花菖蒲」と言うのは、よく皆さんが写真などでご覧になられるこれの事ですね。
花菖蒲は、植物の分類的に言うとアヤメ科アヤメ属になります。花菖蒲は文字通りその花や立ち姿を愛でるために栽培品種化されて歴史を積み重ねてきたもので、色々な色や花の形などがあります。 花菖蒲を愛でるようになった歴史は、戦国時代から江戸時代初めまでに栽培品種として育種されるようになったようなので、結構昔からなんですよね。戦国時代からって事は武家がまつりごとを行う世の中で発展してきたって事ですから、花菖蒲を愛でるというのは武家文化の影響という事が出来ると思います。 最近では、こどもの日や初夏を代表するお花としてテレビや雑誌、その他色々な機会に目にしますよね。また日本各地に花菖蒲園などもあって、これからが見ごろになってくるお花ですね。
「菖蒲」は古来より漢方として扱われている
そして「菖蒲」と言うのは、これです。
そうです!菖蒲湯にするのにお風呂に入れるアレです!!
なぁんだ、花菖蒲の葉っぱやんて思われたあなた。。。
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ざんねん~!!!
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これは、植物の分類的に言うとショウブ科ショウブ属という分類になり、サトイモの仲間になります。
どちらも葉っぱが剣の様にシュッとしていてよく似ているので同じものだと思われる方が多いのですが、「花菖蒲」と「菖蒲」は全く違う別物なのです。
ちなみに菖蒲の花はこちら
ビックリするくらい違うでしょ。
これ花が咲いた後とかじゃないですよ。満開です!なんなら全力です!!!(笑)
「花菖蒲」は鑑賞して愛でるもの、「菖蒲」は薬効成分を生かすもの
菖蒲には薬草としての効能があり、漢方として用いられるものです。
そもそも菖蒲は邪気を払う存在として中国から伝わってきたもので、菖蒲を屋根にかけ、ヨモギで作った人形を門戸に飾ると邪気が払われ疾病がのぞかれると言われていたのです。
これが古来5月は午(うま)の月とよばれていて、この月のはじめの午(うま)の日を「端午」と呼んで菖蒲湯に浸かり菖蒲酒を飲んで厄除けとしていたのです。
なのでお風呂に入れるのは菖蒲を使わないと、菖蒲特有の良い匂いはしないですし薬効もないのです。
そして逆に生けて飾るのは、花菖蒲でなければあの綺麗な花を楽しむ事は出来ません。
こどもの日にお買い求めになるときには、どうぞくれぐれも間違いの無いようになさってくださいねー。
間違っても花菖蒲の葉をお風呂に入れないようにして下さいね。(笑)
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。