花菖蒲は、花が終わっても捨ててはいけないってご存じですか。実は花菖蒲には隠れた蕾があってもう1度花が咲くのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

ゴールデンウィークまっただ中ですが、皆さん満喫されていますでしょうか。私はと言いますと、私のブログをご覧くださっている皆様はご存じの通り、土日祝日に全く関係ない生活が日常ですので、「ゴールデンウイーク?なにそれ??美味しいの???」くらいの感覚で、今日もこれからお勉強の会に向かうバスの中でブログを書いています。

子供の日といえば「花菖蒲」を生けます

ゴールデンウイークと言えば代表的な祝祭日として「こどもの日」が頭に思い浮かぶ方も多いことと思います。特にお子様やお孫様に男の子がいるご家庭は、5月人形を飾ってお祝いされることと思います。
さてそんな「こどもの日」には、花菖蒲を生けたり菖蒲湯に浸かったりしますが、これは、日本において鎌倉時代以降は武士が幕府を開いて政治を行う武家中心の世の中となったことに大きな原因があります。

武家は武道や武勇を重んじます。この武道や武勇を重んじることを「尚武(しょうぶ)」と言い、この言葉の音が菖蒲(ショウブ)と同じであることや、花菖蒲や菖蒲の葉っぱが剣(刀)を連想させる形をしているという事から、男の子の健やかな成長を祈って”端午の節句”に相応しいものとされるようになったのです。

ちなみにこの「端午の節句」は、昭和に入って国民の祝日が定められるにあたり「こどもの日」として制定され今に伝わっているのですが、いつの時代も子供の健康や成長を願うのは親心であり、身分立場に変わりないという事ですね。

花菖蒲は花が2回咲くってご存知ですか

この「花菖蒲」ですが、実はお花が2回咲くってご存知でしょうか。

花菖蒲はパッと見た感じ蕾が1つに見えます。しかし実はこの1つに見える緑色の部分(萼(がく))の中に、もう1つ蕾が隠れているのです。ちなみにこれは、花菖蒲をはじめとするアヤメ科アヤメ属の植物には多く見られる特徴で、ハナショウブやカキツバタなどがそのようになっています。
しかしお花屋さんで売られている"アイリス"は、同じアヤメ科アヤメ属なのでお花も似ていますが、残念ながらアイリスは1度しか花が咲きませんー。
ま、確かにアヤメ科アヤメ属の種類ではありますが、こういうのもあります。

お花を2回咲かせるのに、特別な知識や技術は必要ありません

2回お花を咲かせると聞くと、特別な知識や技術が必要だと思われるかもしれませんが、全く必要ありません。

お家で花菖蒲を飾ってきれいにお花が咲いたら、大体2日~3日間ぐらいは咲いています。そしてお花が咲き終わったらしぼみますので、萎んだそのお花だけむしりとっておいていただければいいのです。そしてそのまま水を替えながらしばらく置いておくと自然に蕾がまた膨らんで花が咲いてくれます。

こどもの日が近いので、花菖蒲をお花屋さんで買って飾られる方も多いことでしょう。
そして光風流でお稽古をされている皆さんも、それぞれの教室では花菖蒲を使ったお稽古をされていることと思います。
ぜひ今年は花菖蒲のお花を2回咲かせてみませんか。2回目のつぼみとかが出てくるとチョッとうれしいですよ。せっかくの命です。大切にしてちゃんと楽しんであげていただければ嬉しいなと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。