「いけばな」って、お花を綺麗に生けなさいって教えではないのですよ。
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こんにちは。
光風流家元 内藤正風です。
旅館やホテルの朝ごはんってなぜあんなに美味しくいただけるんでしょうね。
前の日遅くまで起きていても、お酒も沢山飲んだ翌日なのに、いつも以上に沢山食べてしまいますよね。。。(笑)
きっと仲の良い友人とワイワイと会話を楽しみながら頂くからなんでしょうね。
そんな中、昨日、宿泊先の朝ご飯を友人たちと食べながら話をしていて、あぁ~そうなんだなぁ。。。って改めて感じる事がありました。
それは
「皆さんはお花を生けるって事について、まだまだ特別と言うか敷居を高く感じておられる方が多いんだなぁ」って事です。
水盤が無いから。。
剣山とか七宝とか無いから。。。
壺無いから。。。。
やったことないから。。。。。
綺麗に生ける事が出来ないから。。。。。。
昼間お家にいないから。。。。。。。
お花を飾ったり楽しむっていうのは、そんなにかたぐるしく考えなくていいんです。
お花ってそこにあるだけで、気持ちが安らぎます。
お花ってそこにあるだけで、人を笑顔にします。
なので道具が無ければ、お家にあるもので代用すればいいのです。
綺麗な形を作らないといけないと考えるのではなく、お花の表情を活かすように考えればいいのです。
肩ひじ張って、いけばなの達人みたいに生けないといけないなんて考える必要ないんです。
あなたらしいお花が入ればいいのです。
まずはあなたが楽しいと思えるようにしたらいいのです。
あなたが楽しいから、周りの皆さんも楽しくなることが出来るのです。
服装や正座を心配しなくていいですよ
「いけばな」と聞くと、正座して座るとか、服装がとか、思われる方が多いようですが、、、、、
正座・・・・・私ももう長時間は座れなくなっています。(苦笑)
ってか、私の教室で正座でないとお稽古できない会場は有りません。全て椅子とテーブルになっています。
服装・・・・・普段のお稽古は私自身、デニムや綿パンなど気軽な服装です。
ってか、ふだん皆さんが着られている服装で十分です。着物を着てお稽古なんて、絶っっっっ対~~~~~にありえません。(着物が好きなので着てきたいって方はどうぞ(笑))
そもそも「いけばな」って、お花を綺麗に生ける事が第一目的ではないんです!
いけばなには古来からの言い伝えがまとめられた「伝書」と言うものがあります。
普段の生活でいうならば”憲法”って感じでしょうか。
皆さん、この伝書って、なんか難しい決まりがあれやこれやと書いてあるって思われるでしょ。
その通りです(笑)
けれどここで是非とも知って頂きたいのは、その伝書をひも解いて、端から端まで一言一句もらさずに読んでみても「お花を綺麗に生けなければならない」と言う文言はどこにも書かれていないのです。
書かれているのは、どうしたら感じが悪くならずに済むか。季節の節目や歳時の時などにどんな風にすると相応しくなったり喜ばれるか。どんな風にするとお花を長く楽しむ事が出来るか。などと言う事ばかりです。
一般に皆さんが持たれている「いけばな」の正座、畳、お免状、着物ってなイメージは、30年とか40年とか前のイメージです。
あるいはドラマとかの ”〇〇流家元殺人事件” みたいなので面白く作られたイメージもあります。(苦笑)
確かに、殺人事件が起こったり、お妾さんの子供が出てきて大騒ぎとかっていうのは面白いでしょうが、残念ながらそんな事は起こりません(笑)(笑)(笑)
期待されていた方には申し訳ないですが。。。
「いけばな」はお花を愛でる、お花を生ける事を楽しむ、生けてあるお花を見て楽しむ、お花のあるちょっとシャレオツ空間を楽しむって事なんです。
誰にでも手軽に簡単にお花を楽しむ事が出来るようにあるのが「いけばな」です。
「いけばな」って皆さんが思われている以上に自由で気軽なものです。
まずは、水を張ったコップに一輪お花を挿してみてください。
これこそがお花を楽しむ入口になるのです。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。