「いけばな」って ”お花を綺麗に生けなさい” という教えではありません

お花を飾ったり楽しむっていうのは、かたぐるしく考えなくていいんです
服装や正座を心配しなくていいですよ
「いけばな」って、お花を綺麗に生ける事が第一目的ではありません
「いけばな」はお花を愛でる、お花を生ける事を楽しむ、生けてあるお花を見て楽しむ、お花のあるちょっとシャレオツ空間を楽しむって事なのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

先日、友達と話をしていて、「あぁ～まだまだそういう方が多いんだなぁ」と改めて感じる事がありました。
それは、お花を生けて飾るという事について、まだまだ特別と言うか敷居を高く感じておられる方が多いんだなぁって事です。

お花を飾ったり楽しむっていうのは、かたぐるしく考えなくていいんです

お花ってそこにあるだけで、気持ちが安らぎます。お花ってそこにあるだけで、人を笑顔にします。なので道具が無ければ、お家にあるもので代用すればいいのです。
綺麗な形を作らないといけないと考えるのではなく、お花の表情を活かすように考えればいいのです。
肩ひじ張って、いけばなの達人みたいに生けないといけないなんて考える必要ないんです。自分が良いと思えるように出来ればそれでいいのです。

なので、まずは自分自身が楽しいと思えるようにしたらいいのです。自分が楽しんでいるから、周りの皆さんも楽しくなることが出来るのです。
お花を堅苦しくしてしまっているのは、自分自身の思い込みなのです。

服装や正座を心配しなくていいですよ

「いけばな」と聞くと、正座して座るとか服装がとか思われる方が多いようですが、そういう事も一切関係ありません。
だって私の教室で正座しなければお稽古できない会場は１つも有りません。全て椅子とテーブルになっています。なので私自身、正座は長時間座れなくなっています。
そして服装ですが、普段のお稽古は私自身、デニムや綿パンなど気軽な服装です。なので皆さんも普段着られている服装で十分です。着物を着てお稽古なんて、絶っっっっ対～～～～～にありえません。
あっ、着物が好きなので着てきたいって方はどうぞ～。

「いけばな」って、お花を綺麗に生ける事が第一目的ではありません

あとこれは根本的な話になりますが、いけばなはお花を綺麗に生ける事が目的ではないのをご存じでしょうか。こういう風に言うと「えっ！！」って思われる方もおられると思いますので、理由をお話しさせていただきますね。

いけばなには古来からの言い伝えがまとめられた「伝書」と言うものがあります。私たちの生活でいうならば”憲法”って感じのものです。
皆さん、この伝書って、なんか難しい決まりがあれやこれやと書いてあるって思われるでしょ。その通りです(笑)

けれどここで是非とも知って頂きたいのは、その伝書をひも解いて、端から端まで一言一句もらさずに読んでみても「お花を綺麗に生けなければならない」と言う文言はどこにも書かれていないのです。
書かれているのは、どうしたら感じが悪くならずに済むか。季節の節目や歳時の時などにどんな風にすると相応しくなったり喜ばれるか。どんな風にするとお花を長く楽しむ事が出来るか。などと言う事ばかりです。

確かに、「お花を綺麗に生ける事が出来るのと出来ないのとどっちがいいですか」と聞かれれば、「綺麗に生ける事が出来たほうが良いですね」とお答えするでしょう。しかしそれは綺麗に生けなければ価値がないという事ではないのです。

「いけばな」はお花を愛でる、お花を生ける事を楽しむ、生けてあるお花を見て楽しむ、お花のあるちょっとシャレオツ空間を楽しむって事なのです

誰にでもお花を楽しむ事が出来るようになっているのが「いけばな」です。一つハッキリといえることがあります。それは「いけばな」って皆さんが思われている以上に自由で気軽なものだという事です。

まずは、水を張ったコップに一輪お花を挿してみてください。飲み終わったお酒やジュースの空き瓶にお花や枝や葉っぱを１本挿してみるだけでも構いません。
これこそがお花を楽しむという事ですし入口になるのです。

内藤正風PROFILE

内藤正風

平成５年（1993年）、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。