「菊」は仏さんの花だから普段は生けてはいけないって思っている人、それは大きな間違いですよ!
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日は午前中に会議を行ない、午後からの一番気温の高い時間帯は事務所で事務をして、夕刻から少し屋外で作業をしようかと思っています。
お盆が近づいてきました
先週末は光風流の夏の風物詩「夏季セミナー」を開催したのですが、毎年夏季セミナーが終わったらお盆のお花のお稽古がそろそろ始まるって感じです。
こんな風に言うと「まだ7月やん」って思われる方もあるでしょうが、そのお家によっては7月の末からお盆の棚経でお寺さんがお越しになられるところもあるのです。ちなみに私どもにも毎年7月31日にお寺さんがお参りにお越しになられるので、8月を迎える前にお盆が終わってしまうのです。あっ、お盆は終わらないか。(笑)お盆の諸行事が終わるのです。
さてこの仏前には菊を飾りますが、その様な中でよく聞かれることが有ります。それは「菊は仏様に供える花なので、普段は生けたらいけないのではないか」とか、「菊は仏様に使うので不浄の花じゃないのか」って事です。
これ結論から言うと大きな間違いです。
ではなぜ菊の花をお葬式に使ったり仏前に備えたりするのかというと、全く真逆の理由からなのです。
菊を仏前に供える理由
何故菊を仏前に供えるかと言うと、菊と言うのは、花の中では一番格式高いものと古来より考えられています。
なので、仏様に敬意を払い、お花の中で一番格式高い「菊」をお供えするようになったのです。
決して不浄の物だからではありません。
菊が一番格式高いと考えられている一番わかりやすい例をご案内しましょう。
それは、宮家にはそれぞれご紋があります。
このなかで天皇家のご紋は「菊」のご紋、正式には「十六八重表菊」がその紋章です。
天皇家のご紋になるくらいですから、格式高くおめでたいものと言う事は容易に想像していただく事が出来ると思います。
すなわち、お葬式や仏壇など仏前に菊をお供えするというのは、仏様をとても大切に考えると共に最高の敬意を表していますよという事に他ならないのです。
決して不浄にものだから仏様にお供えしているわけではありません。
「菊」は古来より特別な存在として考えられています
先に書いた理由以外にも菊が特別な存在として考えられている理由があります。それは、菊は古来より解熱、解毒、鎮痛、消炎薬の効果がある漢方として私達の身近な存在なのです。
スーパーやお魚屋さんでお刺身を買われたら、刺身のつまとして大根やワサビや菊が添えられていますよね。
あれは見た目が綺麗と言うだけではなく、殺菌作用が有るから添えられているのです。
大根役者っていう言葉がありますが、あれは大根を食べると食あたりをしないって言うことから「売れない役者」=「あたらない役者」ってことで呼ばれるようになったそうです。
他にも9月9日の重陽の節句にはお酒に菊を浮かべて「菊酒」として飲む風習があるように、古くから菊は食用にされたり薬として扱われてきているのです。
「菊」は仏さんの花だから、普段は生けてはいけないなんて思っている人、大きな間違いです。菊は花の中で一番格式高くおめでたい存在であり、漢方としても役立つ存在なのです。是非覚えておいていただきたいと思います。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。