光風流いけばな展で行なったInstagramフォトコンテストを通じて痛感した、「伝えている”つもり”」は「伝わっていない」ということ
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こんにちは、内藤正風です。
今日は朝から夜まで、雑務ゴソゴソの1日です。
それに日が暮れたらクリスマスイブなので、夕刻にはお風呂に入ってクリスマスイブ晩酌を満喫しようかと目論んでします。
Instagramフォトコンテストの応募が、想定を大きく下回りました
先日の「光風流いけばな展 花と金属の で・あ・い」(※以降、流展と書きます)では、「伝える」と「伝わる」の違いについて改めて痛感する機会になりました。
というか、実は、始まる前から「そうなるだろうなぁ。。」と思っていたのですが、まさに思った通りの結果が出たので、それを今日は共有したいと思います。
近年は流展においていけばな展の楽しみを広げる取り組みとして「Instagramフォトコンテスト」を開催しています。毎回多くの方にご応募いただき、インスタ上が光風流いけばな展の作品をそれぞれの方なりに写真で表現した投稿で溢れるとまではいかないまでも、盛り上がっていました。
そんな中、今回の流展では私がInstagramフォトコンテストの告知を一切しなかったのです。なぜそんな事をしたのかといいますと、光風流には「SNS委員会」という機構があり、光風流の事業についてSNS上での告知などを担当して頂いているのですが、このSNS委員会の皆様が行ってくださっている告知だとどのくらいの拡散力や伝える力があるのかを実験してみようと思ったからなのです。
結果はこの通り。
#光風流いけばな展2022 のハッシュタグをつけて応募してくださいとお願いしていましたので、そのハッシュタグで検索してみると関連する投稿が、なななんと100件未満。。。
その上に投稿を1つ1つ確認してゆくと、そのうちの90%以上が流展に作品を展示されているご本人による投稿になっていました。
私がアカウントを存じ上げない方もおられますから、少なく見積もっても95%くらいの投稿がいけばな展自体の関係者の投稿であり、残り5%くらいの投稿が光風流関係者(いけばな展に作品を展示していない人)とご来場くださった皆さんという目も当てられない状況になっていました。
すなわち告知が全く伝わっていないという状況がそこにはあったのです。
「伝わる」と「伝える」は全く別物であるという事
まず私が思う課題は「伝えてやる」という自己目線になっていたという事です。
SNS委員さんは本部SNS委員さんが6人おられます。
その皆さんが流展前に告知されていた内容は、書き方の違いは多少ありますがおおむね以下の通りです。
12月3日4日は光風流いけばな展です。
今回も写真をどんどん撮ってインスタアップしてくださいね。魅力ある写真を待っています。
#光風流いけばな展2022
#光風流いけばな
ハッシュタグを付けてInstagramに投稿してください。
この投稿をご覧になられて、「うおぉ~こりゃ投稿しないと!!!」って心が動きますでしょうか。
「Instagramにアップして」は分かります。「ハッシュタグをつけてね」も分かります。
しかし少なくとも私はこの投稿を見ても「ふうぅ~ん」で終わっちゃいます。だって自分以外の誰かへの事務連絡にしか感じる事が出来ないからです。
そしてもう少し付け加えるならば、この投稿をすることでどんな楽しみやメリット(例えば、入選作品にはイオンの2000円の商品券が当たるとか)があるのかすらご案内できておらず、事務連絡としても要件を満たすことが出来ていないのです。
すなわち本人は「伝えている」つもりだけれども、相手には「伝わっていない」という状況が生まれてしまっているという事なのです。
なぜ告知が伝わらなかったのかを検証してみると課題が見えてくる
言うまでもありませんが、告知というものは「伝えたい人に伝わっていなければ全く意味をなさない」という事です。
まず今回伝えたかった方(伝えるべき相手)はどなたでしょう。それは「流展に出瓶していない光風流で学ぶ皆さん」や、「流展を見にお越しくださった皆さん」だと思います。
次に伝えたかった内容は何でしょう。それは「投稿をしてもらいたい」のたった1つに尽きると思います。
この様に分解して考えてみると、色んな事が見えてくると思います。
「流展に出瓶していない光風流で学ぶ皆さん」への告知は十分だったか。
いけばなをしておられる皆さんの平均年齢は結構高いです。なのでハッシュタグの意味すらご存じない方もおられます。何ならInstagramへの投稿の仕方すらご存じない方も多いです。そういう方がちょっとやってみようかなと思っていただく事が出来る様な投稿を意識しなければ、「私には関係ない」と受け取られてしまう可能性が高くなります。
「流展を見にお越しくださった皆さん」への告知は十分だったか。
流展を見にお越しくださった皆さんと言ってもまだ漠然としていますのでわかりにくいですよね。これは大きく2つです。1つは流展には出瓶されていない光風流でお稽古をされている方。そしてもう1つはSNS委員の皆さんのお友達や仲間です。
たとえば自分のSNSや日常会話、LINEやメールなどを通じて、お友達やお知り合いに、Instagramフォトコンテストの告知をして「運が良かったら2000円の商品券がもらえるで~。ぜひ投稿したら」とご案内をどのくらいなさったでしょうか。
伝えている”つもり”は、伝わっていない
この様にして考えると、この度のInstagramフォトコンテストの告知は、「伝えている ”つもり” だが、伝わっていない」という状況になっていたという事がご理解いただく事が出来るのではないでしょうか。
面倒くさいから簡単にと思って行なっていても、いくらかの時間と労力は必要になります。手間暇かけているならなおさらです。しかしどんなに短時間で行なっている事あっても、伝わっていなければそれはしていなかった事と同じになってしまうのです。
自分が情報を発信したから、相手は聞いているとか伝わっていると思うのは大きな間違いです。
すなわち「伝わっている」というのは、相手がこちらの話を聞いて、そして話の内容を理解し、こちらが想定している行動を起こしてくださって、初めて達成されている状態だと思います。
伝えると伝わっているの違いを身をもって経験する良い機会になったのではないでしょうか。今回の学びが今後に生かされることを切望いたしております。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。