引き継いでゆく事の大切さと、行動することの大切さ

こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日の神戸新聞に、先日開催した「先代家元追善いけばな展」の事が紹介されました。と言っても記事ではなく、投稿された文章の中で取り上げて頂きました。

この様に言っていただき恐縮の限りです。
私達いけばなに携わるものにとりまして、本当にうれしいお言葉です。

引き継いでゆく事の大切さ

先日開催した「追善いけばな展」における私の一番の目標は、先代家元の追善・・・ではなく、いけばな展に作品を出展してくださった皆様や光風流の皆様にどんなお返しをすることが出来るのかという事でした。

と言うのも、先代が亡くなった時に私は34歳でしたし、母は私が15歳の時にすでに他界していましたので、そんな私が光風流家元としてこれまで歩みを重ねる事ができたのは、流祖亡き後は流祖の高弟に守られ、そしてそのお弟子さん方に支えて頂いたからにほかなりません。

人は親から子、そして子から孫へと続いてゆきます。そしてこれは私たちいけばなの世界も同じで、先生から弟子へ、そしてそのまた弟子へと教えを引き継いでゆきます。そしてこの「引き継いでゆく」という事こそが、何よりも大切なことだと私は思っています。

行動が伴わなければただの綺麗事で終わってしまう

人の命は有限です。したがっていけばなを行なっている人の命にも限りがあります。なので先生から弟子に教えを引き継ぎ、そしてそのまた弟子にと引き継いでゆかなければ、その人がいけばなに打ち込んだこと自体が無かったことになってしまいます。

先生が生きた証を後世に伝えることができるのは、お弟子さんが教室を開催し後世にその教えを伝えること以外にはありません。
先生に「お世話になった」とか「感謝をしている」という言葉はいくら言っても所詮綺麗事でしかないのです。だって行動が伴わなければ、教えを引き継ぎ、その先生が生きた証を伝えてゆく事は出来ないのですから。

教えを引き継ぎそして後世に伝え続けるために私が出来る事

なので私がこの度の追善いけばな展に作品を出展してくださった皆様や、光風流の皆様にできるご恩返しは、先生方とそのお弟子さんが活動しやすい環境づくりと、そしてお弟子さん方が教室を開催されるときのサポートの2つだと思っています。

例えるならば、自分が学びそして得た教えはリレーのバトンと同じだと思います。自分が受け取ったバトンを次の人に渡そうとせず自分のところで止めてしまっては、これまでに走り続けてきた前走者の人たちの努力を無駄にしてしまう事に他ならないのです。

とにかくバトンを渡す。そのために必要なことは、先生方とそのお弟子さんが活動しやすい環境づくりと、そしてお弟子さん方が教室を開催されるときのサポート以外にないと思いますし、それこそがこれからの私が行なうべきことだと思うのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。