学びをしっかりと身に付けたいと思うならば、運動と結びついたアウトプットをすると一発で定着させてゆくことが可能になります

こんにちは、内藤正風です。

今日は暖かいというか暑いくらいの1日でした。
車で出掛けていても送風だけでは全然足りず、エアコンを掛けながら運転していました。

学びはインプットよりもアウトプットが大切

「学び」と聞くと色々な本を読んだり講習会やセミナーを受講したりする、いわゆる「インプット」を思い浮かべられる方が多いと思います。
しかし実は、良い学びを得たければしっかりと「アウトプット」することが大切なのをご存じでしょうか。ちなみにこれは「いけばな」だけのことではなく全ての学びに共通して言うことができる事になります。

学びには、「習う」という側面と「習得」するという側面があります。一瞬 ”学び” と聞くと「いかに沢山の情報を得るか(インプットするか)」という事に目が行きがちになりますが、しっかりとした学びを得たければ習得するための行動が伴わなければ身につくことがなく、この習得するための行動こそが「アウトプット」することに他ならないのです。

人間の脳には「長期記憶」と「短期記憶」がある

習得するための行動とかアウトプットとか言われても、なぜそういうものが大切なのかよくわからないですよね。実はこれには人間の脳の、記憶に関する特性が大きく関連しているのです。

人間の脳の記憶には大きく分けると「長期記憶」と「短期記憶」があります。
「長期記憶」とは、自分の生年月日のようにずっと覚えているような記憶のことを言い、電話を掛けるときに覚えた電話番号のような一時的な記憶を「短期記憶」とよびます。

なぜこのようになっているかというと、人間の脳は「重要な情報」を長期記憶として覚えて「重要ではない情報」はすぐに忘れるようにつくられているからなのです。
すなわちしっかりとした記憶として脳に残すためには「重要な情報」として脳に思わせる必要があるということなのです。

そのために一番大切なのは、記憶した情報が何度も使われて脳に重要だと思わせることにあるのです。
先の例でいうならば、1回電話をかけてそのまま放っておくのではなく、何度も同じ電話番号に繰り返し電話をかけるというアウトプットを行うことによって「重要な情報」として脳に認識させ、長期的に保存されるようになるという事なのです。

よいアウトプットするために、具体的に何をすればよいのか

それでは記憶に残しやすくなる良いアウトプットをするためにはどうすればよいかというと、運動神経を使う事だと言われています。
つまり頭の中で繰り返して覚えようとするのではなく「話す、書く、行動」と結びつけることです。

この「運動性記憶」は一度おぼえるとその後ほとんど忘れることがありません。それは泳ぎを覚えるとその後何年間か間が空いても泳ぐことができる、すなわち「体が覚えている」という事です。
これは身体を動かすと筋肉や腱使うことにより、脳の沢山の部分を使うので多くの神経細胞が働き記憶に残りやすくなるのだそうです。なので一度覚えたら忘れにくいのです。

今学んだことをすぐに誰かに伝えればよい

この「運動性記憶」って、いけばなに置き換えたらムッチャ簡単ですよね。学んだことをすぐに誰かに伝えれば良いって事にほかならないのですから。

学んだ事をさもちゃんと知っていたかのような顔をして(ここ重要!!)(笑)、お弟子さんに説明をすることで、声に出して話すができています。これすなわち運動ですね。
そして声に出して説明をしながらホワイトボードに絵や文字を書いたり、お手本を生けたりすることで、これも身体を使っています。

すなわち自分が学んだことを教室でお弟子さんに伝える事によって、運動と結びつくことでパーフェクトなアウトプットになり、しっかりと学びを自分自身に定着させていくことができるようになるという事なのです。

アウトプットを意識して学ぶ

しっかりとした学びを得たいと思うならば、しっかりとしたアウトプットを意識することが必要です。
すなわちアウトプットを前提としたインプットを行えばよいということですね。

ちなみにこれってお金も同じなのかなぁって思います。
お金を儲けようとか貯めよう(インプット)とばかりするから、周りへの意識が薄くなり利己的になってしまい逆にお金が入ってこなくなってしまうのです。すなわちお金が欲しければ、いかに良い使い方をするかという事を行なうからこそ、信頼を得ることにつながったり、死に金ではなく生き金を使う事が出来る様になり、その事が結果としてお金が増える事につながってくるのです。

いけばなを上達したい方は、今年はアウトプットを意識してみてはいかがでしょうか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。