しっかりと学びたいならばインプットよりもアウトプットが重要になります。すなわちアウトプットを意識したインプットを行えばいいのです

こんにちは、内藤正風です。
いよいよ3月も残すところ1日となり、新しい年度がスタートしますね。
私共光風流におきましても、各地の支部や家元において開催しています講習会が4月から新しい年度がスタートいたします。

昨年からのコロナ禍において、お家で過ごす時間が見直されています。
そのような中、いけばなの楽しみをより広げてくれる「いけばな講習会」は、まさに今皆さんのお役に立つことができる存在だと思います。

学びはインプットよりもアウトプットが大切

これは「いけばな」だけのことではなく全ての学びに言うことができるのですが、良い学びを得たければしっかりとアウトプットすることが大切です。
一瞬 ”学び” と聞くと「いかに沢山の学びを得るか(インプットするか)」という方向に目が行きがちになります。しかしこれは大きな間違いであって、しっかりとした学びを得たければしっかりとアウトプットすることが大切になります。

人間の脳には「長期記憶」と「短期記憶」がある

人間の脳の記憶には大きく分けると「長期記憶」と「短期記憶」があります。
「長期記憶」とは、自分の生年月日のようにずっと覚えているような記憶のことを言い、電話を掛けるときに覚えた電話番号のような一時的な記憶を「短期記憶」とよびます。

なぜこのようになっているかというと、人間の脳は「重要な情報」を長期記憶として覚えて「重要ではない情報」はすぐに忘れるようにつくられているからなのです。
すなわちしっかりとした記憶として脳に残すためには「重要な情報」として脳に思わせる必要があるということなのです。

そのために一番大切なのは、記憶した情報が何度も使われて脳に重要だと思わせることなのです。
先の例でいうならば、1回電話をかけてそのまま放っておくのではなく、何度も同じ電話番号に繰り返し電話をかけるというアウトプットを行うことによって「重要な情報」として脳に認識させ、長期的に保存されるようにするということです。

よいアウトプットするために、具体的に何をすればよいのか

よいアウトプットをするためにはどうすればよいかというと、運動神経を使うということです。例えば頭の中で繰り返して覚えようとするのではなく「話す、書く、行動」することです。

「運動性記憶」は一度おぼえるとその後ほとんど忘れることがありません。それは泳ぎを覚えるとその後何年間か間が空いても泳ぐことができる「体が覚えている」という事です。
これは身体を動かすと筋肉や腱使うことにより、脳の沢山の部分を使うので多くの神経細胞が働き記憶に残りやすくなるのだそうです。ります。だから、一度覚えたら忘れにくいのです。

今学んだことをすぐに誰かに伝えればよい

これ、いけばなに置き換えたらムッチャ簡単ですよね。学んだことをすぐにお弟子さんに伝えたらいいのです。

お弟子さんにお花の生け方についての説明をすることで、声に出して話すができています。説明の時にホワイトボードなどに書いたり、お手本を生けたり生徒さんの生けられたお花の手直しをすることで、身体を使って運動神経を使っています。
これでパーフェクトなアウトプットになり、しっかりと学びを定着させていくことができるようになります。

アウトプットを意識して学ぶ

しっかりとした学びを得たいと思うならば、しっかりとしたアウトプットを意識することが必要です。
すなわちアウトプットを前提としたインプットを行えばよいということですね。

光風流の講習を受講されている皆さんは、今年はアウトプットを意識してインプットしてみてはいかがでしょうか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。