「なぜこの時期にお彼岸があるのか」、そしてそもそも「お彼岸って何か」ってことについてご質問をいただいたので、今日のBlogでお答えさせていただきます。実はこれにはちゃんとした理由があるのです
こんにちは、内藤正風です。
今日のBlogはたった1人に向けて書き、アップしています。
先日、光風流本部いけばな教室でお話をしていて”お彼岸”の事についてのお話になり、なぜこの時期にお彼岸があるのか、そしてそもそもお彼岸って何かってことについて疑問を持たれている先生がおられました。
なので今日はその先生に向けてのBlogです。
ええ、〇本先生、貴方に向けてです。(笑)
なので今日のBlogは、今年の春に書いたもののリメイク版になります。
「春分の日」や「秋分の日」と「お彼岸」は、なぜ関係が有るのか
「お彼岸」は毎年、「春分の日」と「秋分の日」をはさんで前後3日ずつの合計1週間がその期間になります。
じつはこの「お彼岸」って「春分の日」や「秋分の日」とすごく関わりがあるってご存知ですか?
ってか「春分の日」や「秋分の日」が無いと、お彼岸は成立しないんです。
昔から「春分の日」と「秋分の日」は、昼と夜の長さが同じになると言われていますよね。(厳密にいうと実はチョットだけ違うんですけどね。。。(笑))
これは「春分」と「秋分」には太陽が真東から昇って真西に沈む事からそう言われているのですが、この太陽が真東から昇って真西に沈むと言う事が、「お彼岸」にはとても重要な意味が有るのです。
それは、あの世とこの世の距離が一番近くなると言うことなのです。
とは言え、あの世とこの世の距離ってそんな自由に遠くなったり近くなったりするの??って思いますよね。
なのでもう少し説明させて頂きます。
あの世が「西」にあると言われる理由
古来より”あの世”は「西」にあると考えられています。
これは人が生まれ死んでゆくのを、太陽や月に置き換えると、
陽が昇る・月が出る=人が生まれる
日が沈む・月が沈む=人が死ぬ
ということになるので、西にあの世が有ると考えたと言うことなのです。
皆さんがよくご存じの西遊記の物語でお釈迦様の有りがたいお経を頂きに行く物語は「”西”遊記」ですし、あの世の事を「”西”方浄土」ともいいますよね。
そういうことから「東」はこの世、「西」はあの世であると考えられたのです。
三途の川とは?
そんな西にあるあの世とこの世は何で分けられているかというと「三途の川」です。三途の川って聞いたことありますよね。
無くなった人があの世に行くときに渡る川です。
この川を渡る渡し舟に乗るのに昔のお金で”六文”必要なので、棺桶に六文銭を入れるのです。
ちなみに三途の川の渡し賃って、時代とともに値上がりしていないんですよね。
その上に今は火葬にするので、紙に印刷した六文銭ですしね。
三途の川で言っているでしょうね「値上げしろ~!!」「お金の偽造や~~」って(笑)
彼岸に「あの世」と「この世」の距離が近くなる理由
ところで「あの世」と「この世」の距離が、「お彼岸」に一番近くなると言うのは何故だかわかりますか。
実は先ほど書いた ”春分の日や秋分の日に太陽が真東から真西に動く” と言うことが大きな関係をしてくるのです。
すなわち、三途の川を太陽が横切る角度が変わる事によって、あの世とこの世の距離が変わると言うことなのですが、これ言葉で言っても全く分かんないので、絵にかきますね。
●彼岸の時(太陽が真東から昇って真西に沈む)
●彼岸以外の時(青で書いたように太陽が動く)
わかります?
太陽が真東から昇って真西に向かって三途の川を直角に横切るか、それとも斜めに横切るかの違いで、三途の川の上を通る距離が変わるって事なんです。
ようするに、あの世とこの世の距離は変わらないんですが、その渡り方が変わるので距離が変わってくるって事なんです。
分かっちゃえば、な~んだ~~。。。ってなことなんですよね。
こういう理由からお彼岸には「あの世」と「この世」の距離が一番近くなると考えられており、仏様をおまつりするのにふさわしい時と言うことで、お墓参りをしたりおまつりをしたりするという事なのです。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。