桜も終わりの時期になりましたね。今お家で飾られている桜のお花が散っても捨てちゃダメですよ!
こんにちは。
いけばな光風流家元 内藤正風です。
桜の季節も終わりに近づいてきましたね。
私は一昨日お花見に大阪の造幣局に行ってきました。
造幣局は八重桜や牡丹桜の系統が多いので、とても豪華ですし見応え満載でした。
また、先日開催した「いけばな神戸展」の前期の作品でも、桜を使いました。
いけばな神戸展では里桜の系統の材料を使って、皆さんにご覧いただきました。
このときの作品は改めてちゃんとご紹介させて頂きますね。
「桜」って全ての日本人が好きなお花です。
お花見に行かれて桜を愛でるか、車などで通りながら桜を愛でるか、楽しみ方は千差万別でしょうが、桜が咲くのを楽しみに待ち、咲いた桜が散るのを惜しむのは、日本人のDNAの仕業だと言っても過言ではないと思います。
この時期は、お花屋さんで桜を買ってきてお家で生けて楽しまれる方も多いですよね。
桜をお家で飾って楽しまれている皆さんは、桜って二度楽しむ事が出来るものだと言うことをご存知ですか?
まず一度目は「花」を楽しみます。
蕾から花が徐々に開いてゆくさま。
そして満開になってゆくさま。
散り景色の桜の様。
この風情だけでも、かなり色々な姿を楽しむ事が出来ます。
で、大半の方が桜はお花が散ったら終わりだと思われているのですが、実はこの後にもう一度楽しむ事が出来るのです。
二度目の楽しみは「葉」を楽しみます。
お花が散った後に、桜は葉が成長してきます。
葉が芽吹いてすぐは、薄い緑色の柔らかい葉の姿を楽しめます。
この時の葉の緑色って、触るのをためらうほどの柔らか味を感じる若葉です。
そして芽吹いた葉が大きくなるにつれて緑が濃くなって、まさしく新緑の姿になります。
新緑の瑞々しさはこの時だからこそ楽しむ事が出来る風情です。
この新緑の葉は日ごとに緑の濃さをまし一人前の大きさの葉になると、その葉の存在で木に命の躍動とボリューム感が出てきます。
こんな感じで、お花の頃とは全く違う姿を楽しめちゃいます。
桜の花が終わっても、葉の姿の桜を是非楽しんでいただきたいですし、この新緑にはどんな色や形のお花を取り合わせても綺麗に調和しますので、気の向くままにお花屋さんで2~3本の色花を買ってこられて、この桜と一緒に生けられるのも楽しみを広げて頂けると思います。
桜は二度楽しめる。
これ絶対に忘れないでくださいね。
追伸。
葉っぱが大きく育ってくると、たまぁ~に桜の葉に毛虫がでてくる事があります。
そんな時には、ぎゃぁ~って言わなくていいですし、慌てなくても大丈夫ですよ。
これは葉っぱの中に隠れていた卵が羽化して毛虫が現れただけです。
(^^)
悪さは何もしませんので、気づいたら慌てず騒がずにその枝を持って表に出て、毛虫をはらってくれば全て問題なしです。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。