いけばなにおける「基本」「変化」「応用」という考え方こそ、コロナ禍や緊急事態宣言下において生きる「いけばな的思考」なのです
こんばんは、内藤正風です。
今日は朝から夜まで本部いけばな教室でお稽古でした。
全予約制 + 人数制限 + これでもかのコロナ対策をしての開催なので、安心安全なのは言うまでもありません。とはいえ、朝から晩までお昼ご飯を挟んでぶっ続けは心地よい疲れで、このままお風呂に入ってそのまま寝ることが出来たら幸せなのになぁって思います。
緊急時にこそ、いけばな的思考が必要になる
いけばなには「基本」「変化」「応用」というステップがあります。これはまず最初に「基本」と呼ばれる”型”を学び、その次に”型を崩す”方法を学び、最終的にはそれまでに学んだことを土台にして”自分なりの型を創造”してゆくようになります。
これ、理解の浅い方や良くご存じない方からは「決まりなんて窮屈やし堅苦しいし古臭い」って言われてしまいがちですが、実はどんな場面においても対処対応してゆくことが出来る力を養うことが出来るシステムですし思考なんです。
だって”いけばな”って自然の植物を素材にしているのですから、思ったような枝ぶりは無いですし、したがって自分の思った通りに作品作りができる事なんてホボホボありません。
その時その時に合わせて臨機応変に対処対応してゆかなければならないのです。
なのでこの「いけばな的思考」こそが、今のような予測を超えた緊急事態には必要になるのです。
まずは基本的な計画や準備を行う
いけばな的思考でこのコロナ禍を考えたときにまずしないといけないのは、基本的な計画や準備を行うということです。
すなわちまずはコロナとは関係なく、これまでの日常的な流れで考え付く計画や準備を行いながらコロナで変化した要素も加えて、土台となる計画や準備を行います。
ただここでは、この段階でしている計画や準備はあくまでも叩き台的なものであるということを忘れてはいけません。
現状とこれから何も変わりがなければこの計画や準備の通りに進めるけれども、何か状況が変わってきたら臨機応変に対応するということが大前提にあるということです。
水は方円の器に随う(したがう)
水には形はありません。四角い器に入れれば四角くなりますし、丸い器に入れれば丸くなります。
基本となる計画や準備が出来たら、あとはこの水のように柔軟に環境に対応してゆくことが大切です。この時に柔軟に対応が出来なければ悪い結果になってしまいますし、柔軟な対応が出来れば災い転じて福となすこともできるでしょう。
まさしく「水は方円の器に随う」のことわざのように、環境にどう対応して変化するかによって結果が大きく違ってくるのです。
コロナ禍や緊急事態宣言下にこそ、いけばな的思考が生きるのです
いけばなは、人が生きていくうえで必要となる学びを得ることが出来ます。光風流の伝書の一番最初の序文には「華道はすなわち人倫の法にしてさらに他のことにあるべからず」という一文が書かれているのですが、正にそういうことであるということです。
いけばなを学んで花を綺麗に生けるだけでは、一番大切なところを習得できていないということになります。
このコロナ禍という非常事態において「いけばな的思考」を日常生活やお仕事に役立てる事こそ、いけばなが本来目指していることだと私は思います。
今起こっていることに文句を言ったり愚痴るのではなく、植物の枝ぶりを見るように今を冷静に確認し、基本的な出来ることを考え、そのあとは状況に合わせて臨機応変に変化応用してゆく、「基本」「変化」「応用」という考え方こそ今私たちが大切にしないといけないことだと思います。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。